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Nick Goold

強気フラッグは、短期・長期トレードのどちらでも活用されている上昇基調を示唆するローソク足(プライスアクション)の形です。強気フラッグのチャートパターンは、上昇トレンドの中間で発生する場合し、価格が急騰した後に発生します。フラッグが形成されている最中は、ボラティリティが低くなり、価格が横ばいから下降基調に変化します。上昇トレンド中に、上値と下値が少しずつ切り下がるのが特徴で、一時的な調整局面です。しばらくレンジ相場を形成した後、チャネル上限ラインをブレイクすると再び強い上昇トレンドが発生します。この段階で、フラッグパターンが完成となります。

強気フラッグパターンが出現したら、マーケットが上昇基調にあり、ファンダメンタル的にも上昇を示唆します。フラッグパターンが完成したら、短期間でトレンドが加速する可能性があります。これは新規買い注文があると同時に売りポジションが解消されるためです。

急激に価格が上昇した部分は「旗竿(フラッグポール)」と呼ばれ、一方的に価格が上昇していることが特徴です。マーケットの強い買い圧力を示しています。フラッグの部分は、トレーダーの利益確定による一時的な調整によって生じます。

【画像1/強気フラッグパターンの概要】

フラッグパターンを分析するときには、フラッグポールの角度に注目しましょう。フラッグポールの角度が大きいほど、相場の買い圧力の大きさを示します。フラッグポールの段階ではトレンドが一方通行で形成されるという特徴があります。

では、実際のチャートで強気フラッグの出現例を確認してみましょう。

例1)日経平均(2022年7月)

【画像2/日経平均株価フラッグパターン例】

上記のチャートは、2022年7月の日経平均株価の日足チャートです。2022年7月の最後の2週間で日経平均株価は2万7,000円から2万8,000円まで急上昇しましたが、レジスタンスラインにぶつかり、もみ合い相場となりました。しばらく調整局面が続きましたが、フラッグの上限ラインをブレイクアウトし、上昇トレンドが強まりました。結果的に2万9,000円まで上昇しました。

例2)ダウ平均株価(2022年10月)

【画像3/ダウ平均株価日足チャート】

ダウ平均株価は2022年10月に安値圏(3万ドル付近)で反発し、10月末まで一気に上昇しました。その後、相場が一服すると、フラッグパターンが形成され始めます。移動平均線が支持線となり、再び上昇。フラッグパターンの上限ラインをブレイクアウトし、新規買い注文も増加したようです。3万3,000ドルをブレイクした後、3万4,000ドルまで上昇トレンドは継続しました。

例3)ドル円

【画像4/ドル円日足チャート】

2022年、米国の金利上昇と円売り相場が重なり、ドル円は118円台から151円へと記録的な上昇トレンドを形成しました。上昇トレンドが形成される過程で複数の強気フラっぐパターンが形成されました。

もちろん、強気フラッグパターンが形成されたからといって、常に高値更新するわけではありません。経済ニュースや他のファンダメンタル要因で変わる可能性があります。そのため、フラッグパターンが出現したときは、他のテクニカル指標や分析を併用して、複数の根拠を持ちましょう。

強気フラッグのリスク管理

ターゲット設定

上昇トレンドが発生しているときのターゲット設定方法としては、2つのアプローチが挙げられます。1つ目は、主要なレジスタンスラインに設定する方法です。通常は直近高値・安値となった価格帯がターゲットとなります。しかし、強い上昇トレンドとなっている場合、主要な抵抗線がない場合もあります。その場合は、利益目標をストップロスの2~3倍に設定できるでしょう。

2つ目の方法は、利益目標を設定せず、トレーリングストップを使用して、可能な限り利益を伸ばすことです。トレーリングストップを設定すれば、価格が上昇するにつれてストップロス価格も上昇します。トレーリングストップラインは、通常、上向きの移動平均線やトレンドラインの下に設定できます。

ストップロスの設定

全ての強気フラッグが成功するわけではありません。必ずストップロス注文を設定しましょ。通常、ストップロスは、使用する時間足にも寄りますが、強気フラッグであればフラッグの安値に設定します。強気フラッグが成功せず、相場が反転した場合は要注意です。急落する可能性があるため、ナンピン買いなどはせず、素早く損切りしましょう。

メンタルコントロール

強気フラッグは、主観的なプライスアクションによる分析方法であるため、トレーダーによってチャートの中に見えるパターンが異なっている可能性があります。そのため、ストレスを軽減するためにも、トレーダーは自分のチャート分析を信頼し、取引ルールに従わなければいけません。

強気フラッグはトレンドフォロー戦略であり、他のトレンドフォロー戦略と同様に勝率は50%を下回ることもあります。短期的なトレード成績に固執せず、全体で利益を得ることを目標にしましょう。そのためにも、ハイリスク・リワード・レシオ(平均利益が平均損失額を上回っていること)を意識しましょう。

強気フラッグの出現頻度は低いですが、正しく活用すれば、大きな利益が期待できます。実際の相場で利用する前に、過去のチャートでフラッグパターンが出現している部分を探して、判断力・経験力を磨きましょう。

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