Nick Goold
ゴールド
イスラエルとパレスチナの紛争が続く中、地政学的リスクが高まったことで、ゴールドは1週間を通じて著しい急騰を記録した。紛争のエスカレートに伴う不確実性が高まり、投資家は資金を安全資産へと移したようだ。ゴールドは安全資産の代表的な銘柄である。注目したいのは、米長期金利の低下である。これまでは米長期金利の上昇が、ゴールドを売り圧力にさらしていた。米金利動向の変化とパトリック・ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁のハト派的な発言は、ゴールドの上昇基調をさらに後押しした。
金曜日（10月13日）の市場の動きは特に注目すべきもので、金価格の爆発的な急騰が市場参加者を驚かせた。この上昇を支えたのは、予想を下回った米消費者景況感データと、市場参加者が週末を控え慎重姿勢となっていた相場環境下での投機的な買いであった。
しかし、金曜の急騰が週明けの反落につながる可能性があるため、慎重にトレード判断を下すことが重要である。とはいえ売りポジションを持つトレーダーは、中東における紛争激化が、7月の水準を下回って推移している金価格を引き続き下支えする可能性があることを考慮し、慎重にトレードするべきである。
短期トレーダーは、来週もボラティリティが極めて高いため、売り買いの両方のチャンスがあるだろう。一方、中期トレーダーは、金価格が1,946ドルの重要なレジスタンスレベルを下回って推移する場合、売りポジションを考える可能性がある。ただし、地政学的な不確実性が続いていることから、中東紛争が続くようであれば、価格の下落幅は限定的となる可能性があることを念頭に置く必要がある。
レジスタンス：1884, 1893, 1900, 1925, 1946
サポート：1836, 1809, 1800
原油
中東での紛争が激化していることで世界のエネルギー市場全体に影響が波及し、WTI原油価格は非常に大きなボラティリティで推移し、波乱に満ちた週となった。木曜日には、米国がロシアの原油輸出に対する制裁を強化し、対抗姿勢をエスカレートさせた。この制裁措置は、G7の原油価格上限規制に違反しているとされる海運会社2社を標的にしたものだ。同時に、週末にかけてイスラエルとハマスの紛争が激化したことで、市場参加者の不安はさらに高まり、この地域の石油生産への潜在的な影響を懸念する声が高まった。こうした地政学的要因は、エネルギー市場のボラティリティと不確実性を高める要因となった。
前週は非常に不安定な動きだったが、WTI原油価格は4月以来の大幅な上昇を記録し、週末にかけて上昇した。金曜日の上昇については、週末を前にしたポジション調整の可能性もあるため、慎重に受け止める必要がある。
現在の相場環境を考えると、原油市場の次の大きな値動きを予測することは難しい。そのため、トレーダーは短期取引に焦点をあてることができるだろう。今後1週間は、相場が上下に行き過ぎた動きを見せたときに、レンジ取引の機会を探すのが最良の戦略となりそうだ。
レジスタンス：89.00, 94.00, 100.00
サポート：85.00, 82.50, 80.00, 78.50, 75.00, 70.00
