Nick Goold
トレードをする上で、先ず知っておきたい知識がいくつかあります。その中の1つに、トレーダーとアナリストの違いを理解することが挙げられます。この違いを理解していないとトレードが危険なことにもなりかねません。異なるマーケットプレイヤーの存在を知ることは、マーケットがどのように、なぜ動くのかを理解するのにも役立ちます。
アナリスト情報とトレード
トレード前、マーケット状況を把握しようと、ニュースを確認したり、アナリストの情報を得たりしているかと思います。アナリストの情報はマーケット理解の一助となり、それに従ってトレードをしようとしたくもなりますが、時にその情報が目の前の値動きへの判断に偏りを出したり、リスクに対応する力を低下させる可能性も秘めています。
そのため、アナリストの予測だけでマーケットを判断するのは損失の可能性が高まります。トレードは予測するものではなく、損失をいかに抑えることができるかにかかってきます。トレードは未来を予測するだけでなく、リスク管理に徹することが重要です。いつ利益を確定し、いつ損失を認めるかを明確にすることは、いつエントリーするかを決めることよりも重要となるのです。
アナリストとは
アナリストはマーケットに関する金融メディアの予測を立てるのが仕事です。そのため、日々情報を駆使し自身の予測をメディアに出し続けます。
ファンダメンタル分析やテクニカル分析を用いて、今後のマーケットの方向性を予測します。アナリストの目標は自分の勤めるブローカーや銀行で、より多くのトレーダーが自身の出したレポートを参考にトレードするようにすることです。
アナリストは法律によってトレードを行うことができません。そのため、マーケットの予測は行いますが、自身の分析に基づいてポジションを保有することはありません。 アナリストの焦点は、未来を予測して顧客の間で人気を得ることです。マーケットデータの分析に多くの時間を費やしているため、マーケットについてとても精通しているように見えますが、それと同時に未来を予測することの難しさも理解しているため、予測が間違いとならないよう、予測は明確にはせず言い切ることはありません。
トレーダーとは
トレーダーはマーケットにポジションを建ててトレードをするのが仕事です。そのため、有益なトレードができるようニュースやマーケット情報を求め続けます。
トレーダーは数々の経験からマーケット予測が難しいことを知っており、常にトレード機会を探し続けます。時にマーケットを理解しようとファンダメンタル分析をし、アナリストのレポートを読み、さまざまな意見を得ているかもしれません。
しかし、トレーダーがアナリストと異なる点は、トレーダーはトレードでお金を稼ぐという点です。アナリストはレポートを書いてお金を稼ぐため、ここが両者の大きな違いとなります。トレーダーはトレード機会に集中します。平均損失よりも平均利益が大きくなる方が良いため、仮に予測が50%の勝率だったとしても平均利益を大きくすれば稼げるようになります。そのため高い勝率は必要ありません。予測よりも利益をどれだけ伸ばせるか、損失をどれだけ小さくできるのかの判断の方がずっと重要です。
アドバイス
マーケットの今後を予測することは難しいものですが、実はさほど重要ではありません。また、アナリストの意見を知ることはマーケットが動く理由を理解するのに役立つものの、その予測の確率がどれだけ高いかという保証はありません。
マーケット予測よりも大切なことは、リスク管理に焦点を当てたトレードをすること、自分に適した戦略に特化することです。トレーダーの目標はあくまで収益を上げることであり、情報過多はトレード判断を狂わせ、意思決定を惑わせる可能性があります。トレードを行うには、判断をシンプルに保ち続け、リスクリワードの良い戦略に従うことが最良です。