Nick Goold
ダウ平均株価
2月初旬に発表された米雇用統計は市場予想を大幅に上回り、労働市場のタイトな環境を浮き彫りにした。市場は、力強い米雇用統計によって買い・売りが拮抗している状態にあり、静かな1週間となった。先週はパウエルFRB議長の「インフレが鈍化傾向にはあるが、追加利上げの可能性がある」という発言に注目が集まった。マーケットはパウエルFRB議長が利上げに関して積極的なのではないかと神経質になっている。
今週は重要な経済指標が多く、火曜日と木曜日は米国のインフレ率に関する経済指標、水曜日は米小売売上高が発表される。米経済の状況が予想以上に強い傾向が確認できるデータであれば、一気に急落するという展開も考えられる。また、米10年債利回りは再び上昇し、先週は0.20％上昇して3.74％となっている。これは、株式市場にとって弱気材料となる可能性がある。
市場のセンチメントは短期的には依然としてポジティブであるため、多くのトレーダーは押し目買いを狙うだろう。しかし、10日移動平均は横ばいで、ダウ平均は2023年のレンジの中心で推移しているため、相場を予測するのは難しい。そのため、強いトレンドの発生を期待せず、レンジ取引に集中するのがベストな戦略だと思われる。
レジスタンス：34360, 34500, 35000, 35500, 36000, 36500
サポート：33500, 33000, 32500, 32000
日経平均株価
先週の日経平均は、引き続き上昇を続けましたが、週足では十字線に近い形を形成し横ばいで推移。今週は、日経がドル円の上昇に追随する形で好調なスタートを切ったが、米国株が方向感に欠けているため、上昇の勢いが続かず利益確定売りに上値を抑えられる展開となった。
今週は、火曜日に新日銀総裁が指名予定であり、ボラティリティは上昇すると考えられる。日本ではインフレ率・経済動向が変化する兆候が表れており、金融政策も修正されるのではないかという思惑が拡がりを見せている。一部の市場参加者は新日銀総裁によって金融政策を変更する可能性を予想しており、日経平均株価は潜在的に下振れリスクがある。
中期的な見通しは依然としてポジティブだが、短期的には、今週の経済データに米国株がネガティブに反応した場合、下落する可能性がある。したがって、売りよりも、押し目や直近高値のブレイクアウトを狙った取引がいいかもしれない。
レジスタンス：28000, 28300, 28500
サポート：27375, 27150, 27000, 26250, 25500, 25000, 24500
