Nick Goold
FX通貨ペアとゴールド取引、どちらも24時間取引できるため、一見するとそこまで違いがないように感じるかもしれません。しかし、FX市場とゴールド市場は全く異なる要因で動き、特徴も異なります。取引しようとしているトレーダーはFXとゴールドの違いを把握して、どちらが自分に適している市場なのかを選択するとよいでしょう。自分に最適なマーケットを選択できれば、収益性の高いポートフォリオを構築しやすいでしょう。
以下、FXとゴールドの主な違いについて見ていきましょう。
資産クラス
ゴールド取引は現物である金を売買するものであり、FX取引は異なる通貨を売買するものです。ゴールド取引とFX取引の主な違いは、ゴールドは基本的に現物取引であるのに対し、FXは実際の通貨の両替を売買をしていない画面上の取引である点です。
ゴールドを取引する場合、トレーダーは購入した金の現物を受け取ることもあれば、金の先物契約や上場投資信託(ETF)のような”画面上の商品”を取引することもある。一方、FXトレーダーは、取引する通貨を物理的に所有することはなく、単にその価値に投機しているに過ぎません。
市場の大きさ
外国為替市場は金市場よりもはるかに大きく、1日の取引量は数兆ドル規模に及びます。
一方、金市場は比較的小さいです。金市場はFXに比べて小さいため、ヘッジファンドや銀行などの大口トレーダーからの注文が金価格に影響を与えやすいという特徴があります。そのため、大口トレーダーの思考を理解し、彼らがどんなポジションを保有しそうか予測できれば、ゴールド取引がしやすいでしょう。
市場の流動性
外国為替市場は金市場よりも流動性が高いため、大きな値動きがなくても、いつでも約定できます。さらに、FX市場には多くの市場参加者がいるため、一部のトレーダーが市場を動かすことはしにくく、ゴールドよりは大きな動きが起こりにくい傾向があります。また、ゴールド市場の流動性は低いため、経済指標の発表による短期的な影響が大きくなる可能性があります。
ボラティリティ
ゴールドのボラティリティはFX通貨ペアよりも大きく、1日であっても大きく動きます。ゴールドの高いボラティリティを利用すれば、小さなロット数でも大きな利益となりますが同時に大きなリスクと名rます。FX市場では、時間帯によって特徴はあるものの、ボラティリティが約定できないほど低くなることはありません。対照的に、ゴールドはボラティリティが非常に低いときもあれば、突然ボラティリティが上昇することもあります。
マーケットスプレッド
ボラティリティが高く、流動性が低いため、ゴールド市場はドル円やユーロドルのような人気のあるFX市場よりもスプレッドが広い傾向があります。スプレッドが大きいということは、ゴールドのスキャルピング戦略がFXよりも難しくなる可能性があるということです。
価格に影響を与える要因
ゴールド価格とFX通貨ペアの価格は、ともに経済データ、インフレ率、金利の影響を受けます。また、ゴールドは中国やインドを中心に宝飾品としての需要が高い現物商品であるため、各国の需要の変化もゴールド価格に影響を及ぼします。また、安全資産としての価値もあり、リスク回避の動きが強まると、ゴールドに資産が集まり、価格が高騰します。
どちらの銘柄を取引するのが良いのか
初心者トレーダーは、スプレッドが狭く、突然の変動が少ないFX通貨ペアが適しています。ゴールドは、トレードの判断ミスをしてしまうと、失ってしまう資産が多いため、経験豊富なトレーダー向けの銘柄です。
ゴールドはFXよりも強力で長期的なトレンドが発生しやすいため、トレンドフォローを好むトレーダーにとってはチャンスが多いでしょう。ゴールドのレンジ取引も高い利益を上げることができますが、FXの方がよりスプレッドが狭く、流動性が高いため、ゴールドよりもレンジ取引に適しています。
ゴールドとFXの違いを知るには、実際に取引して違いを体感するのが一番です。デモ口座や少額のリアル口座で取引を開始し、ゴールドとFXのどちらが成績がよいか、パフォーマンスを比較してみましょう。
ゴールド取引とFX取引は異なる特徴を持つ2つの市場であり、トレーダーは取引戦略や目標に応じて、どちらか一方に集中できます。ゴールド取引とFX取引はどちらも利益とリスクの機会を提供することができますが、異なる方法とアプローチが必要です。したがって、トレーダーは、どちらの市場で取引するかを決める前に、自分の目的、リスク許容度、およびどのぐらいの知識があるのかを考えて選択する必要があるでしょう。