Nick Goold
FXの通貨フィキシングとは、1日のうち特定の時間に公表されるベンチマーク・レートのことです。これらのベンチマーク・レートは、為替トレーダーやその他の市場参加者がリスクを管理するための基準点として使用します。
通貨フィキシングは、インターバンク市場で行われた取引に基づき、特定の時間帯の実勢為替レートの平均を取って決定されます。
通貨フィキシングは、当日の通貨価値の標準的な基準点を提供するため、外国為替市場の重要な要素の1つです。通貨フィキシングで設定された基準レートは、先物、オプション、その他のデリバティブなど、さまざまな金融商品の価格決定の基準として使用されます。また、国際的な貿易や投資においても、正確で透明性の高い通貨評価によって、異なる通貨を含む取引について十分な情報を得た上で意思決定を行うことができるなど重要な役割を担っています。
主なFXの通貨フィキシング
主要通貨フィキシングは、取引日を通じて一定の間隔で公表され、通貨を評価するための基準点として使用されています。
これらのベンチマークレートは、インターバンク市場で行われる実際の取引に基づいており、トレーダーや他の市場参加者が様々な金融商品の価格を決めるために広く利用されています。
FX市場で重要とされる通貨フィキシングは、WM/ロイター、欧州中央銀行、ロンドンや東京市場といった様々な金融機関によって公表されています。
WM/Reuters フィックス
WM/Reuters Fixは、世界で最も広く利用されている通貨フィキシングの1つで、日本時間の午後12時と午後4時の1日2回発表されます。ベンチマークレートは、インターバンク市場で主要銀行が1分間に行った実際の取引に基づくものです。WM/Reuters Fixは、外国為替契約、オプション、デリバティブなど、数兆ドル相当の金融商品を評価するための基準点として使用されています。
欧州中央銀行フィックス
欧州中央銀行（ECB）フィックスは、毎営業日、中央ヨーロッパ時間の午後2時15分に発表され、ユーロに関連する価格について公表しています。これは、規定の2分間にインターバンク市場で行われた取引の中央値に基づいており、企業や投資家がユーロを含む国際貿易や投資取引に広く利用されています。
ロンドンフィックス（現地時間午後4時）
ロンドンフィックスは、「ロンドン・クローズ」とも呼ばれ、毎日グリニッジ標準時の午後4時に発表され、主要通貨の対米ドル価値を決定するために使用されています。これは、1分間のインターバンク市場の取引を参照して計算されます。トレーダーや他の市場参加者が、為替契約やオプションなど、ロンドン時間帯の金融商品の価格を決定するために広く使用されています。
東京フィックス
東京フィックスは毎営業日、日本時間午後2時に発表され、東京のFX取引セッション終了後、ロンドンセッションが始まる前に、主要通貨の対円での値付けに使用されます。ベンチマークとなるレートは、インターバンク市場で行われた2分間の実取引に基づいています。主にアジア時間帯のクロス円取引における決済レートに使用されています。
通貨フィキシングがFX市場に与える影響
通貨フィキシングは、為替レートに大きな影響を与える場合があります。それは、現金決済型オプションなどのデリバティブのオープンポジションをいったん作り、実際の取引で実現またはヘッジする必要があるためです。また、トレード判断や特定の通貨に対するリスクエクスポージャーを調整するための基準として、通貨フィキシングを利用することもあります。
あるいは、デイトレーダーは、ロンドン午後4時のフィックスを、通貨契約の評価や損切り注文を設定するための基準点として使用することもあります。
トレーダーは通貨フィックスを注視し、予期せぬ動きや一般的な市場レートとの大きな差異を確認することで、特に計算・公表時刻までの空白の時間に、取引チャンスがあるかもしれません。
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したがって、トレーダーは、通貨フィキシングを理解し、リスク・エクスポージャーを慎重に管理する必要があります。
