Nick Goold
ゴールド
この1週間、金相場は10日移動平均線付近で値動きをしながら、下値を固めていった。2,000ドル台は大きなレジスタンスとして機能し、ゴールドの上昇を抑えている。この停滞は、イスラエルとハマスの間で軍事的な交戦が続いているにもかかわらず発生している。今回の紛争はガザの境界線に限定されているため、中東の地政学的な情勢を大きく乱し、金価格を押し上げるほどにはエスカレートしていない。
米国の雇用統計は期待外れの結果となり、通常なら投資家は安全な金に逃避するところだが、結果的に金相場の急騰につながった。一時2,000ドルの壁を越えたが、上昇はつかの間だった。米長期金利の低下は金にとって強気材料だったが、現在、一部の市場アナリストは、金の最近の強気相場があまり長くは続かない可能性を示唆している。
価格が10日移動平均線を上回っているため、金の上昇トレンドは維持されているが、この水準で買うのは難しい。とはいえ、空売りを考えている人は、明確なシグナルを待つことをおすすめする。金価格が10日移動平均線を割り込むと、現在の上昇トレンドが反転する可能性がある。
レジスタンス:2000, 2050, 2070, 2080
サポート:1984, 1946, 1900, 1884, 1836, 1809
原油
原油価格は6%下落し、厳しい週となった。投資家は世界経済の減速を懸念しており、それは、原油の必要量の減少を意味する。ガザで緊張が続いているにもかかわらず、原油は大きな問題なく流れ続けているため、リスクプレミアムは低下した。こうした状況を受けて、一部のトレーダーは売りに転じている。特に、中国の経済報告が原油需要にとって期待できるものではなかったためだ。
原油に対する懸念に加え、米国のエネルギー情報局(EIA)の報告書によると、原油とガソリンが予想以上に貯蔵されていることが分かった。供給が需要を上回れば、価格は下落するのが常である。
特に大口トレーダーは80ドル割れを狙い続けている。今週のトレーダーにとって理にかなった戦略は、価格が10日移動平均線に近づいたら戻り売りを仕掛けることだろう。あるいは、支持線を大きく割り込むのを待ち、売られ過ぎの状況を利用して買い向かうという戦略もある。
レジスタンス:85.10, 88.50, 94.00, 100.00
サポート:80.00, 78.50, 75.00, 70.00