Nick Goold
ゴールド
ゴールドの強気相場は先週も続き、価格は2,000ドルの大台を突破した。この急騰には様々なファンダメンタルが関係しているが、最大の要因はイスラエルとハマスの間で進行中の紛争である。この地政学的リスクの上昇によって、米長期金利の低下も重なり、結果的に米ドル安をもたらし、ゴールドにより資金が集中する結果となった。政情不安や経済の不確実性のが高まった際には、ゴールドが安全資産として買われる傾向にある。
イスラエルとハマスの紛争は激化しており、鎮静化の兆しが見えない。イスラエルはガザへの侵攻後、戦争が長期化することを示唆していることもあり、投資対象としてのゴールドのセンチメントは強まっている。週末には紛争がよりエスカレートしだしており、来週以降も、貴金属は、活発な取引が行われそうだ。
今週も市場全体のファンダメンタルを考えると、ゴールドに対する買い意欲が高まることが予想される。週明けは2000ドル付近で推移する可能性がある。この動きは、ガザ情勢の進展に関連する市場心理に大きく左右されるだろう。短期トレーダーにとっては、相場が2,000ドルに近い水準で推移するのであれば、レンジ取引が最善と思われる。一方、中期トレーダーにとっては、相場が軟調に推移する局面、特に10日移動平均線に接近するタイミングが絶好の押し目買いポイントとなる。
レジスタンス：2050, 2070, 2080
サポート：1984, 1946, 1900, 1884, 1836, 18091809
原油
先週の原油相場は、主に世界的な需要不安から売り圧力がかかった。こうした懸念が売り圧力となり、価格は10日移動平均線を割り込んだ。それでも、82.50ドルのサポートラインは堅かった。この底堅さは、ガザ紛争が継続しており、原油供給の制約につながる恐れがあることが一因と考えられる。この動きを裏付けるように、金曜日未明にエジプト紅海の2つの町が流れ弾にの被害を受けた。イスラエルとハマスの紛争が隣接地域に波及する可能性に対する市場の不安を浮き彫りにする出来事だった。
しかし、地政学的緊張がヨルダン地域以外にも拡大するなか、エネルギー投資家はジレンマに直面している。世界経済減速の兆候はますます無視できない水準になりつつある。このため、石油などの化石燃料の需要減少が見込まれ、多くの関係者は今後数ヶ月間、原油需要の減少を予想している。
こうした課題にもかかわらず、原油相場のテクニカル指標は現在、中立または横ばいの動きを示唆している。とはいえ、ガザ紛争が激化するにつれ、価格は上昇基調に転じる可能性があるため、今週は買い場を探すのが得策だろう。
レジスタンス：88.50, 94.00, 100.00
サポート：82.50, 80.00, 78.50, 75.00, 70.00
