Nick Goold
グリッドトレード戦略とは?
グリッドトレードとは、FX取引戦略の一つで、一定の間隔または価格水準で複数の売買注文を出し、定義された範囲内の市場のボラティリティから利益を得るものです。
市場がレンジ内にある場合、価格は特定の範囲内で往来する傾向があり、グリッド戦略は非常に有益です。
グリッド戦略はどのように機能する?
グリッドトレードでは、一定の価格幅の中で、各注文の利益確定と損切りの水準を決めて、一連の注文を出します。
相場が一定のレンジ範囲内で上下に動くと、注文が執行されます。さらに、トレーダーは、市場価格が新しいレンジに移動した場合、新しいグリッドレベルを順次設定し、利益確定幅とストップ幅を組み合わせて、半自動で利益を積み重ねていきます。
グリッド取引は、手動で実行することもできますが、自動取引システムを使用する場合が多いでしょう。しかし、自動売買には多くの課題があるため、経験豊富なトレーダーのみが行うべきであり、継続的に稼働を監視する必要があります。
グリッド戦略の利点と弱点
利点
グリッド取引は、他の取引戦略が機能しないようなレンジ相場や横ばい相場でも利益を上げられます。シンプルな取引戦略であるため、ミスをする可能性も少ないでしょう。
トレーダーは、値動きの方向を予測する必要がなく、市場のボラティリティを利用します。また、将来の価格がどのように動くのかを予想せずに済むため、トレードの妨げとなる感情を排除したトレードが可能です。
自動化を利用することで、時間と労力を節約し、戦略をより簡単に実行できます。さらに、自動化を利用することで、一度に複数のマーケットの利益を狙うことができるのです。
短所
グリッド取引は、利益が比較的小さく、まとまった利益を出すために時間がかかるため、粘り強さが必要です。また、この戦略は一度設定してしまえば、待つのみであるため、退屈に感じるかもしれません。
トレンド相場はグリッド戦略に不向きで、相場が一方向に動くと、利益を得るのが難しくなります。また、レンジ相場から脱却すると、相場が一気にトレンド方向に動いてしまい、損失が一気に膨らむこともあります。
グリッドトレード戦略の実行方法
- グリッド取引に適した通貨ペアと時間枠を選択します。
- グリッド注文を執行するレンジや価格水準を定義し、各注文の利益確定と損切りの水準を設定します。グリッド注文を執行し、定義された範囲内での値動きについて市場を監視します。
- マーケットの変化を考慮し、必要に応じてグリッド・オーダーを調整します。
リスクマネジメント
トレードの際には、グリッド戦略と並行して効果的なリスク管理が必要です。グリッド取引は通常60%以上の高い勝率を誇っていますが、損失が大きくなることもあります。リスク管理戦略には、リスク許容範囲の設定、ストップロス注文、適切なポジションサイジングが必要です。
最大リスクエクスポージャー
各取引の最大リスク量を設定し、保有ポジションのリスク量の合計が取引口座残高の一定割合を超えないように注意してください。例えば、1取引あたりのリスクは100ドルで、すべてのポジションの合計が300ドルということです。
ストップロス注文を設定する
マーケットがレンジ取引からトレンドに変わるとき、マーケットは急速に動くことがあるため、ストップロス注文を置くことが不可欠です。そのため、ストップロス注文はポジションを持つときに発注する必要があります。
ポジションサイジング
また、ポジションサイジングを利用して各グリッド注文のサイズを制限し、保有ポジションの合計ロット数に注意します。例えば、1回のエントリーで1ロット、最大ポジションは3ロットで取引します。
グリッド取引は、レンジ相場や横ばい相場でも利益を上げることができますが、規律と忍耐、そして慎重なリスク管理が必要です。しかしながら、あらゆるレベルのトレーダーが、マーケットのボラティリティから利益を得る可能性のある方法として、グリッド取引の基本原理を理解し、堅実なリスク管理戦略を実施することにより、この戦略を模索することができます。