Nick Goold
プロトレーダーと経験の少ないアマチュアトレーダーは、マーケットについての考え方が異なっています。アマチュアトレーダーは、マーケットはテクニカル分析やトレンドにのみ従っていると考えている傾向が多く、書籍を読んでニュースを読めば相場で利益が出ると考えています。
一方、プロトレーダーは、長年の経験から書籍に書かれているような単純なルールでは説明できないマーケットの値動きを理解しています。
マーケットの価格は、 トレーダーの売買の結果で決まります。つまり、買うトレーダーと売るトレーダーのどちらが多いかによって相場の進む方向が決まるのです。ある銘柄に対して買うトレーダーが売るトレーダーよりも多ければ、価格は上昇していきます。反対に売るトレーダーが買うトレーダーを上回り、価格が低くなってでも売ろうとするトレーダーが多ければ、どんどん価格は下がっていくのです。
プロトレーダーは、誰がマーケットをコントロールし、どのような注文が引き金となって価格がいつ動くのかを理解しています。例えば、マーケットが 124.90のとき、125.00の節目がレジスタンスとなり、売り方の損切り注文が 125.05に多くあること、価格が125.05を上回ればストップロス注文を引っ掛けて、さらに価格の上昇が期待できる場面であると理解し、抵抗帯となっている125.00 の手前で買いエントリーします。プロトレーダーはレジスタンス付近で上昇の値動きが止まって反転する、あるいは、レジスタンスを超えて上昇を続ける可能性があるのか、長年にわたる経験から判断できるのです。
センチメントとは大衆がマーケットの価格をどう見ていて、ど の方向へ動くと考えているかを示したものです。一般的に上昇局面において、大半のトレーダーはマーケットが上がると見ており、下落局面では同様に下がると見ている ことを示します。そして、プロもセンチメントを考慮してトレードをしますが、 その視点は異なり、上昇の勢いが強ければ売りのチャンスを狙います。なぜなら、多 くのトレーダーが買いポジションを持ち過ぎていて、さらなる新規買いエントリーは少ないうえに、買いポジションを保有しているトレーダーが利益確定売りを始めると予想し、価格は急落する可能性があり、下落の局面の利益が見込めるからです。
マーケットのセンチメントに関する情報は、新聞、マーケットレポートやラジオ、テレビなどから得ることができます。また、トレーダーのブログ等は他のマーケット参加者が価格をどう見ているかを知るのに役に立ちます。