Nick Goold
普段、マーケット同士の関連性を考えながらトレードしていますか?多くのトレーダーはこれを学ぶことなくトレードしていることが殆どです。実は、このマーケット同士の関連性を理解することはマーケット理解を深まめることに繋がり、有益なトレードを手にしやすくします。
マーケットの2つの状態
1. リスクオン
2. リスクオフ
マーケットには、このように2つの状態があります。リスクオンもリスクオフも共に、トレーダーや投資家のリスク許容度の状態を表しています。他のトレーダーがマーケットをどのように見ているかを理解できると、今後の物価変動を予測する能力が向上していきます。
リスクオンとは?
リスクオンとは、トレーダーや投資家が今後のマーケットを楽観的に見ている状態です。リスクオンの状態になると、トレーダーや投資家たちは積極的に投資を行い、ハイリターンを求めるため、多くの資金がリスク資産へ流れていきます。そのため、ハイリスク資産が好まれるようになり、ローリスク資産は売られる傾向となります。リスクオンになるとマーケットは上昇します。
リスクオンを発生させる要因
- 経済指標発表の結果が良い
- 期待値を上回る経済状況
- 戦争やテロリズムの無い状態
- 安定した政治
- マーケットバブル
リスクオフとは?
リスクオフとは、トレーダーや投資家が今後のマーケットを悲観的に見ている状態です。リスクオフの状態になると、トレーダーや投資家たちはリスクの低い投資を行うようになります。リスクが小さい分、リターンも小さくなりますが、リスクを抑えることに集中します。そのため、ハイリスク商品を手放して売る傾向になります。リスクオフになるとマーケットは下落します。
リスクオフを発生させる要因
- 経済指標発表の結果が悪い
- 期待値を下回る経済状況
- 戦争やテロリズムの発生
- 政治不安
- マーケットバブルの終焉
マーケットが今、どのような状態にあるのかを理解することはトレンドを追いやすくさせ、収益性の高いトレードを見つけやすくもします。マーケット状況が急変する可能性はいつでも起こり得えます。
そのため、どのようなニュースや経済指標発表がマーケットをリスクオンからリスクオフに変化させるのか、リスクオフからリスクオンへ変化させるのかを学び、認識しておくことが重要です。また、他のトレーダーが重要とみなしているニュースを理解するため、ニュースを日々確認することは大切です。マーケットによっては、リスクオンをきっかけに上昇し、リスクオフによって下落します。さまざまなマーケット同士が影響し合い、リスクオンやリスクオフと結びついていきます。
Foreign exchange
いくつかの国の通貨は他国通貨よりも安全と考えられています。リスクが低く安全と捉えられている通貨ペアは、米ドル、日本円、スイスフランです。これらの通貨ペアはリスクオフになると上がる傾向があります。それに対し、マーケットがリスクオンになると上がる通貨ペアは、GBPUSD、GBPJPY、EURUSD、AUDUSD、CADUSD、ZARUSDなどです。
日本円が最も強くなる時、USDJPYレートは下落し、スイスフランが強くなる時、USDCHFは下落します。このようにマーケットはより強い方へ引っ張られる動きを見せます。
株式
株式市場に上場している会社は良好な経済状況によって、より多く稼ぐことができるため、リスクオンとなり、株式が上昇します。反対にリスクオフの状態になると株式は下落します。
コモディティ
金(ゴールド)は安全な資産と見なされています。そのため、マーケットがリスクオフモードとなり、将来を不安視されている時に上昇しやすくなります。反対に原油をはじめ、ほとんどの商品は消費者需要に依存しているため、リスクオンの状態で上昇する傾向があります。
金利
リスクオンになると、急激な経済成長を避けようと、中央銀行が政策金利を引き上げるため、金利が上昇します。反対にマーケットがリスクオフモードになると、中央銀行がより政策金利を下げて経済を活性化しようとするため、金利は低下する傾向があります。
先行するマーケットと遅行するマーケット
一部のマーケットは、他のマーケットよりも先行して動く傾向があります。したがって、トレーダーはトレードタイミングを計ろうと、いくつかのマーケットを観察し続けています。時間の経過とともに環境や動向は変化し、先ずは先行して動くマーケットが変化を露わにしていきます。特に、金はマーケットのリスクセンチメントと密接に結びついているため、他のマーケットを先導することがあります。また、長期金利が他のマーケットの大きな動きを引き起こすこともよくあります。これらはニュースレポートを読むことで把握することができます。どのようなことをきっかけにマーケットが動いているのかを理解できるようになると、どのようなトレードをするのが適切なのか、判断も下せるようになります。