Nick Goold
トレードは短期間で利益を得ることもできますが、殆どのトレーダーは長期的に利益を上げ続けることができません。その理由には、大きな損失を出し、今までの利益を一度に失ってしまうことが挙げられます。たった1回、悪いトレードを行ってしまったが故に、数週間から数ヶ月かけて積み上げてきた利益をあっという間に失ってしまっているのです。
大きな損失を被ると口座残高が損なわれるだけでなく、精神的にも大きなダメージを被ります。また、トレードに対する自信と意欲が失われ、精神的なダメージを回復させるには時間がかかります。それでは、大きな損失を回避するための最適な方法とはどんなものでしょうか。
良いトレード方法
1. たくさん稼ぐことに焦点を当てた考えを止めます。一攫千金のような、より早くより大きく稼ごうとする気持ちを持たないようにします。トレードは利益ばかりを追っても稼げるようにはなりません。本当に大切なことは損失をいかに小さくするかにあります。損失をゼロにすることはできないため、いかに損失を小さく抑えられるか、がトレーダーとしての資質に関わってきます。
2. 勝ちトレードが続いたときは自信過剰になっている可能性があります。このような状態の時というのは、思惑通りにマーケットが動かなかった場合、待っていればまた今度も利益に変わってくれると思い込み、損切りできなくなります。そして、含み損が拡大するほどに今までの利益が減ることを回避したいと、より一層損失を拡大していってしまう恐れがあります。
3. 誤った自信がもたらした悪いトレードの後は休憩をとりましょう。自信過剰にはならず、いつでもどんなトレーダーであっても損失の機会は必ず訪れます。常に平静な状態を維持し、過剰な自信を持ってしまわないようにメンタルをコントロールしていきます。損失後は、失った資金を早く取り戻したいと、直ぐにポジションをとり直そうとしてしまいがちです。しかし、その気持ちはぐっと抑えて、一度チャート画面から離れることは後の有益性に繋がります。トレードチャンスはいつでも巡ってきます。
4. 大きな利益を得た時は、どんなに嬉しくても誰かに自慢しないようにします。これは自信過剰になることを抑えるためです。大きな利益を出せた結果を友人達に見せれば、きっと尊敬の眼差しで見られるかもしれません。しかし、本当に稼げているトレーダーやプロトレーダーという人達は、決して自慢話をすることはありません。トレードで稼ぐことがどんなものなのかを理解しているからこそ、トレードの本質を理解しているからこそ、軽々しく自慢話を晒すことはないのです。
5. メンタルをコントロールするため、大きな損失を出した時も友人などに教えないようにしましょう。人は口に出したことが現実になっていくことがあります。損失をどれくらい出したなど、武勇伝のように話すものではありません。負けた話ばかりしていると、周囲にも負けトレーダーを引き寄せてしまい、自分自身も負のスパイラルから抜け出すことが難しくなります。
6. トレードは損益ではなく、トレード過程に焦点を当てて考えます。利益が出れば良いトレードという訳でもなく、損失が常に悪い訳でもありません。ポジションをとる前に、トレード計画を立て、トレードルールに遵守したトレードであれば、利益になっても損失になっても正しいトレードです。反対に、トレードルールを破って利益になったとしても、それはその時だけのものであり、長期的な利益はもたらされません。やがて大きな損失に繋がり、ルールを破ったトレードは大変危険なものであると認しましょう。
自分のトレード過程を理解することは、大きな損失の兆候を理解するということです。大きな損失を被る前に、コントロールを失ってしまう前に何が起こったのかを分析します。大きな損失を引き起こしたトレードの多くには必ず理由があり、その原因を理解することで、今後同じミスを避けることができます。
大きな損失を避けるためにもトレード計画は必ず立てましょう。もしも、深夜に大きな含み損となっているポジションを保有している場合は、トレードをどこかで修了（損切）させるルールを設けます。また、もし多くの利益を出した後にポジションを建てた場合は、一定の損失が出たらトレードを中止するというルールを設けます。
大きな損失を出した悪いトレードの危険性を理解することで、より一貫性のあるトレードが可能となります。結果ではなく常にトレード計画に従うことに焦点を当て、小さな損失は簡単に取り戻せることを覚えましょう。たった一つの大きな損失でも様々な問題を引き起こす可能性があることを忘れてはなりません。
