Nick Goold
フィボナッチはトレードで利用されるチャート分析ツールの1つで相場で意識されやすい支持線・抵抗線を見つけることができることが特徴です。
フィボナッチ・レベルとは?
フィボナッチ・レベルとは、フィボナッチ数列の数値から算出したリトレースメント・ポイントのことです。フィボナッチ数列とは、各数値が前の2つの数値の和になる一連の数値で、下記のような数列です。
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, ....
このフィボナッチ数列は、各数字の前の数に対する比をとると、数字が大きくなるにつれて、黄金比として知られている1.61804という値になる傾向があります。この比率は自然界に多く存在し、古くから神秘的な意味を持っています。この逆数(1/比)は0.618、つまり61.8%となります。同じような比率は、フィボナッチ・レベルとして一般的な以下の比率でも当てはまります。
23.6%, 38.1%, 50.0%, 61.8%, 76.4%
フィボナッチは相場でどのように機能する?
フィボナッチは、マーケットで将来的に意識されやすい支持線や抵抗線を特定するときに役立ちます。トレンドが発生している場合でも一直線で進むことはなく、どこかで調整の動きをすることが予想されます。フィボナッチを活用すれば、マーケットがどこまで調整の動きをするのか、どこで反転しそうか、などを判断します。
トレードで使用される主要なフィボナッチ比率は、38.2%、50%、61.8%です。これらの水準はフィボナッチ数列から派生したもので、マーケットはこれらの数値を意識するという仮定に基づいています。
例えば、マーケットが上昇トレンドにある場合、トレンド方向とは反対方向に38.2%もしくは50%まで戻る可能性があります。ただし、61.8%レベルを超えて押し目/戻りを形成した場合は、トレンドの終わりを示す可能性があります。
なぜフィボナッチは有効?
トレードにおけるフィボナッチの有効性はマーケットがどのように動くかはトレーダーの心理が関係しているという考え方に基づいています。その結果、トレーダーは特定のフィボナッチ比率の価格で反応する傾向があり、それが支持線・抵抗線となります。
取引におけるフィボナッチレベルの有効性は、市場がどのように動くかには人間の心理が関与しているという信念に基づいています。その結果、トレーダーは特定の価格水準に予測通りに反応する傾向があり、それが潜在的な支持線や抵抗線となります。
さらに、フィボナッチレベルは、トレンドラインや移動平均線などの他のテクニカル分析ツールとともに、マーケットの反発・反落しそうな価格帯を特定するのに利用されます。複数のテクニカル指標が同じ価格帯に収束した場合、市場に大きな転換点が訪れる可能性が高まります。
リスク管理
フィボナッチを利用すれば、リスク管理を向上できます。トレーダーは、リスクを抑えるため、主要なフィボナッチ比率の価格帯でストップロス注文を設定できるでしょう。例えば、市場が122円から上昇した後、トレーダーが132円でドル円を買う場合、50%リトレースメントレベルの127円で買い、61.8%リトレースメントレベルの下の125でストップを設定します。
まとめ
フィボナッチ水準は、トレーダーが金融市場の潜在的な支持線と抵抗線を特定するために使用する人気のテクニカル分析ツールです。これらの水準は、フィボナッチ数列から派生したもので、マーケットは波を形成し、一時的な調整の動きがあるという仮定に基づきます。
また、主要なフィボナッチレベルで損切り注文を設定することで、効果的なリスク管理にも利用できます。