Nick Goold
マーケットは高値（レジスタンス）や安値（サポート）を更新するとボラティリティが高まり、大きな値動きを見せます。特に多くのトレーダーが注目する重要な値の場合ほど値動きは活発になり、トレードが難しくなります。今回は、高値や安値を更新する際のブレイクアウト戦略の上手な使い方を学んでいきましょう。
チャートをただ眺めていると、トレードは大きなトレンドを見つけて大きな利益を得るだけと、とても簡単に思えてしまいます。確かにトレンドの波に乗れば大きな利益を得ることは確かであり最善の戦略です。しかし、トレードの難しさとは、的確なタイミングでエントリーすることにあり、正しいタイミングでなければ利益を得る前に値動きによって損切りされてしまいます。
人気のあるトレード戦略の一つに、価格が重要な高値を超えて買う、または重要な安値を下回って売るという戦略があります。この戦略は過去のチャートを見る限りでは非常に簡単と思えますが、リアルタイムになるとそう簡単にはいきません。それは、レンジ戦略の売り注文が重要な高値付近にあり、同様にレンジ戦略の買い注文が重要な安値付近にあるためです。重要な価格付近には多くの注文が入っており、それに伴ってマーケットの動きは複雑になります。このようにトレンド戦略とレンジ戦略のせめぎ合いがボラティリティを高め、レジスタンスやサポート付近のトレードを難しくさせます。
ブレイクアウト戦略の種類
レイクアウト買い
ブレイクアウト売り
ブレイクダマシ買い
ブレイクダマシ売り
これらブレイクアウト戦略を成功させるためにはどのようにしたら良いのでしょうか。具体的なポイントを5つ見ていきましょう。
トレードタイミングを計る5つのポイント
1. マーケット状況を確認する
トレード前には必ずマーケット状況を把握し、理解することが重要となります。移動平均線が横ばいの時にトレンドはなく、ブレイクアウト戦略で利益を生むチャンスは少なくなります。例えば、移動平均線が横ばいなら、高値を超えた状況で買うのは控えるべきかもしれません。価格は直ぐに戻ってきてしまう可能性が高くなるためです。
2. ブレイクするまで待たない
もしマーケットに強いモメンタムがあり、レジスタンスやサポートを試そうとしている場合、ブレイク前にポジションを建てるとより優位なエントリーにすることができます。他のトレーダーより早くエントリーすることで、期待通りのブレイクアウトが起こらなくても、小さな利益、あるいはプラスマイナスゼロで決済することができます。例えば、日経225先物を17,000のレジスタンス前に16,975で買う、といった具合です。
3. マーケットが売られ過ぎ、買われ過ぎになっていないか？
値動きが激し過ぎると感じたら、ダマシに捕まらないよう注意しましょう。このような時は、価格と移動平均線の乖離を確認します。乖離が大きいほど価格は移動平均線へ戻りやすくなります。そのため、サポートやレジスタンスをブレイクしたと思っても、直ぐに逆行の動きを見せ、ブレイクアウト戦略が失敗に終わる可能性が高まります。買われ過ぎ、売られ過ぎと判断できる状況ではブレイクアウト戦略をとる前に、値動きが落ち着き、マーケットが移動平均線に戻ってくるのを待つようにします。
4. 今の時間帯は？
マーケットは時間帯によって異なる動きを見せます。その時間帯がレンジ相場になり易いのか、トレンド相場になり易いのか、過去のチャートを使って理解を深める必要があります。過去のチャートから、その時間帯になり易いマーケット状況を把握できるようになると、ブレイクアウト戦略に適したトレンド相場の時間帯を選んでトレード機会を待つことができます。
5. ニュースを理解する
ニュースや経済指標発表はマーケットに大きな影響を与えます。リアルタイムでニュースの分析や予測をすることは難しいため、事前にニュースや経済指標発表の可能性を理解するようにします。中でも、ボラティリティはブレイクアウト戦略を使うべきか否かの判断材料になります。例えば、マーケットが大きな経済発表を待っている状況でのブレイクアウト戦略は、大きな損失に繋がる可能性があります。値動きが激しく、方向性の定まらない動きを見せる可能性があるためです。一方で重要なニュースの発表を待っている時に値動きがトレンド傾向にあるならば、 ブレイクアウト戦略が成功するチャンスも大きくなります。
これらトレードタイミングを計る5つのポイントの理解を深め、デモトレードでブレイクアウト戦略の実践練習を繰り返していきましょう。トレード成績の向上とともにトレード時にかかるストレスも軽減されていきます。
