石田 和哉
4月第3週の米国市場は先週から更に続伸。最高値を更新する形で4月3週を終える展開となった。
米国債利回りは少し上昇となっているが、米連邦準備理事会(FRB)が現在の緩和姿勢を維持するとの見方が市場で多勢を占めた事も市場の追い風となっているようだ。
株式投資家の不安心理を示す、シカゴ・オプション取引所のボラティリティ・インデックス指数(VIX)は1年ぶりの水準にまで低下するなど、市場心理は好調な米国市場を背景に改善が続いている。
市場では利上げ前までにどこまで市場が上昇できるのかが焦点であり、FRBが利上げを検討し始めるまでには市場は適正な流れになると予想されている。
日米首脳会談では「台湾海峡の平和と安定の重要性」を共同声明で明記するなど、中国に対してけん制とも言える文言が含まれており、中国は国内問題と断固反対するなどしており日米共同声明と中国の声明が市場にどのような影響を与えてくるのか、注目したい所だ。
(Bloombergより)
4月第4週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
4月22日(木)
20:45 ユーロ欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 ユーロラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
4月23日(金)
08:30 日本3月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
08:30 日本3月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比)
08:30 日本3月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
23:00 米国3月新築住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 米国3月新築住宅販売件数(前月比)
日米市場
日米市場は今週も引き続き、好調な展開となると思われる。米国市場では決算時期となっており、コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展による経済復調への期待などから市場は値を上げる展開が続いているが、米アルケゴス問題で損失を被った金融機関の発表もある事から、損失額の数字次第では金融機関が市場の足を引っ張る事になりそうだ。
日本市場は好調な展開で推移すると考えられるが、23日の消費者物価指数には注意したい。
中国市場は引き続き、金融引き締めへの警戒感から神経質な展開となりそうだ。
(ボラティリティ・インデックス指数)
(Bloombergより)
欧州市場
欧州市場は続伸し、最高値を付けて1週間を終えている。米中市場の好調な経済指標、中国GDPの回復ペースが大幅に加速しているなどを受けて、世界経済の早急な回復への期待から買いが入り値を上げる展開となっている。
英国市場は感染者が大幅に低下していることから、経済回復への期待が高まり、続伸となっており、欧州市場がどこまで値を上げ続けるのか、コロナウイルス感染症の感染者数の増減や経済指標の数字には注目をしたい。
FTSE(FTSE100種総合株価指数)
(https://www.reuters.com/より)
今週の為替(EUR/GBP)
EURGBP 日足
EURGBPの日足では買いサインが点灯している。0.87300付近を抜けてくれば、大きな上昇となる可能性があり、2020年9月22日の高値0.93296と2021年4月5日の安値0.8724の値幅の38.2%の0.87600、50%の0.33500、61.8%の0.89400までの戻りが可能性として挙げられる。
EURGBP 4時間足
EURGBPの4時間足は方向性の見えない展開ではあるが、上下、上値抵抗線、下値支持線がそれぞれ見えることから上下でのサイン、0.78400付近を抜ければ買い目線、0.84500付近を抜ければ売り目線となりそうだ。
EURGBP 1時間足
EURGBPの1時間足は上値抵抗線、下値支持線がある。0.87200付近を抜ければ買い目線に、0.86300付近を抜ければ売り目線となっている。図中の赤線は4時間足での下値支持線を示しているので、0.84600までの下落の可能性はありそうだ。