石田 和哉
7月3週の米国市場はコロナ感染拡大への警戒から値を下げた。
米国株式市場では米国保険当局による発表で米国内の感染者が先週比で70%死者が26%増加したと発表した事、ロサンゼルス郡はマスク着用の義務化措置を再導入するなど発表した事で市場は値を下げる展開となりました。
要人発言で「コロナが昨夏以来、初めて、相場に影響し始めている」など発言するなどしたこともあり、アマゾン、アップルが1%超とハイテク株、エネルギー株が3%下落するなどしている。
パウエルFRB議長は2日間にわたる議会証言でインフレ高進について「一時的」との見解を堅持したこともあり、物価が高止まりするとの見方が強まるとの憶測も出ている。
来週は米国企業の第二四半期決算発表が本格化することもあり、市場が再度堅調に推移するのかどうか、ここから再度の上昇となるのかということに注目が集まっている。
(米CDCのワレンスキー所長の記者会見)
(White Houseより)
7月第4週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
7月20日(火)
08:30 日本6月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
08:30 日本6月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比)
08:30 日本6月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
7月21日(水)
08:50 日銀・金融政策決定会合議事要旨
7月22日(木)
南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利
20:45 ユーロ欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 ユーロラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
日米市場
米国市場は米国企業の第二四半期決算が本格化するが、増加傾向を見せているコロナウイルス感染者、死者数が市場の上値を抑える可能性もあり。好調が予想される企業決算への期待が市場を下支えすることも考えられることから、ある程度の下値の重さはありそうだ。
日本市場はオリンピックを控えてご祝儀相場と言いたいところだが、4回目の緊急事態宣言の出された東京都で感染が拡大し続けている事などが市場の上値を抑える可能性もあり、緩やかな下降となる可能性がある。
オリンピックに合わせた連休もあることから連休までの3日間にどのような展開となるのか、注目したい所だ。
中国市場は特に問題もないことからしっかりとした展開は続きそうだ。
(ワクチン接種を受ける医療従事者)
(フランス通信社より)
欧州市場
欧州市場では物価の上昇と新型コロナ感染者の増加が経済回復を抑制するとの見方が広まり値を下げている。
フランスでは4891人、イタリアでは2895人、スペインでは21978人、ドイツでは987人 英国では39183人と直近7日間の感染者数の平均値が徐々に上昇しており、特にスペインと英国では急増していることから市場は上値を抑えられている。
コロナとの共存に舵を切った英国では16日には51,870人と5万人を超える感染の急拡大が起こっている。死者数はそれほど増加しておらず、ワクチン接種に一定の効果が表れたともいえるが、このまま感染が拡大するようなことがあれば再度の規制も行われる可能性もある。
難しい展開は続くと思われ目先では下振れに警戒をしたい所だ。
フランスで行われたコロナ対策強化への抗議運動
(フランス通信社より)
今週の為替(CAD/JPY)
CADJPY 日足
CADJPYの日足では先週に解説をしたEURJPYと同じ形となっている。上昇トレンド、切り上げが終わり、下降トレンド、もしくはレンジ相場への転換が始まっている。波動論上でC波が発生中であり、ここからの下降は61.8%、50%、31.8%のいずれかで意識がされそうだ。
チャート上でいったん意識されている価格帯は23.6%での意識がなされており、意識はされていることから、チャート上の3線までの下降、価格の調整の可能性は強くなりそうだ。
ダウ理論での切り下げ、波動論上でのc波、グランビルの法則上の7の売りの後となっており、きれいな形、多くの投資家に意識される形となりそうだ。
ここからの下降がどこまで続くのか、レンジ相場へと転換するのかは下降の勢い次第と言ったところだ。
CADJPY 1時間足
CADJPYの1時間足ではジグザクを描きながら下降し続けている状況が見て取れる。上位時間足を参考にしつつ売買個所を探していくのであれば上位足の状況を把握して売買を行いたいところだ。
下図 CAD日足での1時間足
CADJPY日足に当てはめた場合には1時間足の大きな動きが日足でのトレンド転換の初動であることが見て取れることから1時間足上での下降トレンドは暫く継続する可能性がある。
一過性の戻りには注意したい所だが大きな下降の流れに乗れた場合には日足を見ながら売買後の流れを見ていきたい。
売り目線で問題はないが、日足でも戻りが出てくる場合には値を戻してくるので、その場合には切り上げが行われるのかどうかに注意したいところだ。