石田 和哉
8月3週の米国市場は週末に大きく値を戻したが、週間では値を下げる展開となった。
米国市場は週の半ばに最高値を更新したが、大幅な下落へ転換し、週末に再度の上昇となるなど波乱に富んだ展開となっている。
キーター・グループのマネジングパートナー、マシュー・キーター氏は「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表されると「噂で買って事実で売る」という動きが見られたと述べ、ジャクソンホールで開催されるシンポジウムについて「過去何度も注目を集めたが今年はそれ以上だ」、「FRBはこの機会を活用して、今後の方針を伝えるかもしれない」と述べるなど市場はジャクソンホールでのシンポジウムに注目をしている。
また、今年のジャクソンホールでのシンポジウムは急遽オンラインに変更されるなど、コロナウイルス感染症の感染拡大の影響も出ており、それを受けた議長の発言には注意だ。
それに加えて、26日の米国GDP、27日のFRB議長発言など、上値を抑えられる形となった米国市場が値を上げることができるのかに注視をしていきたい。
(ジャクソンホール)
(Reutersより)
8月第4週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
8月24日(火)
15:00 ドイツ4-6月期国内総生産(GDP、改定値)(前年同期比)
15:00 4-6月期国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
15:00 4-6月期国内総生産(GDP、改定値、季調前)(前年同期比)
23:00 7月新築住宅販売件数(前月比)
23:00 7月新築住宅販売件数(年率換算件数)
8月26日(木)
21:30 米国4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比年率)
8月27日(金)
21:30 米国7月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
21:30 米国7月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比)
21:30 米国7月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
23:00 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
日米市場
米国市場は26日のジャクソンホールでのシンポジウムを前に様子見が強くなっておりダウ平均も上値を終えられる形で推移している。26-28日のシンポジウムに加えて、27日のFRB議長発言もあり、発言の内容、シンポジウムの内容次第では米国市場の8月末の展開は少々、波乱に富んだ展開となりそうだ。
日経平均株価は米国や欧州と違い、コロナウイルス感染症の感染拡大による投資家心理の悪化、中国で相次いでいる規制の強化などを受けて年初来安値となっている。
感染拡大が続く、コロナウイルス感染症に対して緊急事態宣言の拡大、ロックダウンの提言など対策が後手に後手にとなっていることも市場の上値を抑える形となっている。
一時は27,000円台を割り込む場面も見られた日本市場だが横浜市長選の影響や米国市場動向次第では27,000円を終値で割り込む展開も考えられそうだ。
(日経平均株価)
(Bloombergより)
欧州市場
欧州市場は景気の先行き不透明感が浮上しつつある。
8月ドイツの景況感指数の現況は6月連続で上昇しているものの、期待値は大幅に下落するなど9か月ぶりの低水準となった、コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う景気の先行き不透明感が投資家の間で懸念されている事も懸念材料となっている。
ストック欧州600指数も4週間連続の上昇ではあるが、8月のEUセンティックス投資家信頼感指数、上記のドイツ景況感指数は低調に推移していることから、株式市場は大きく値を上げることも下げることも起きにくいと思われ、静かな展開となりそうだ。
(ドイツ景況感指数推移)
(TRANDING ECONOMICSより)
今週の為替(NZD/JPY)
NZDJPY 日足
NZDJPY日足ではトレンドの転換期が来ている。画中に1-5、a-cが記載されているが、大きく見たときの波動論上での1-5波の上昇とその後のa-c波の調整となっている。調整からの下降入りとなった場合にはa-c波が継続し続ける形となり、38.2~61.8%までの下降と意識が考えらえる。
NZDJPYの日足えは途中トリプルトップ形成による下降の探りとだましが発生していたがその後は上昇を行っている。
61.2%での意識価格はトリプルトップ形成前後の意識価格でもあるので、今後の下降局面ではさらに意識をされる展開となりそう。
NZDJPY 1時間足
NZDJPYの1時間足は波動論上での1-5波が出たものと仮定すれば現在の価格からの戻りとなる形となっている。
波動論を意識するのか、上位足のトレンドに沿って流れるのかは難しい部分ではあるが、移動平均線を超えてくることができるのかどうかに注目とったところだ。
まずは移動平均線を超えてくる事、その後に戻しでトレンドの転換を迎えることが前提条件ではあるが、戻りが発生する可能性をシナリオの1つに入れておきたい。