石田 和哉
9月2週の米国市場は常に意識がされていたインフレ懸念への警戒感が市場で強くなった事で米国市場は値を下げる展開となった。
S&P500種は2月以降で初めて5営業日の続落となっている。
8月の米卸売物価指数は前年同月比8.3%の上昇となっており、2010年11月以降の最大の伸びとインフレ高が当面続く公算が強いと認識され、FRBが年内に量的緩和の縮小の開始を意識しているという要人発言が市場心理を圧迫し市場は値を下げる展開となった。
米アップルはアプリの課金ルールの緩和命令を出されたことで急落となっている。
利上げの開始時期がいつになるのかが非常に重要なイベントとして意識され始めているが当面の間は何時利上げを行うのかについての発言はないと思われヤキモキする展開は続きそうです。
(米国ダウ平均)
(MarketWatch より)
9月第3週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
9月14日(火)
21:30 米国8月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 米国8月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 米国8月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
21:30 米国8月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
9月16日(木)
21:30 米国8月小売売上高(除自動車)(前月比)
21:30 米8月小売売上高(前月比)
9月17日(金)
18:00 ユーロ8月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
18:00 ユーロ8月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
日米市場
米国市場はインフレ懸念から値を下げる展開となっているが、値を下げたとしても、比較的底堅い展開になると思われる。
雇用統計や自動車販売件数の減少などから景気回復の鈍化への懸念が徐々に強くはなってきているが、週明けにはアップルの新商品発表なども予定されていることから、週末にアプリ課金を巡る裁判所からの命令で3%の下落と市場の足を引っ張ったアップルが週明けの新商品発表で市場をけん引する存在へとなる可能性もありそうだ。
日本市場は菅首相の自民党総裁選への不出馬表明を発表し、任期満了に従い、首相を退任することで市場は値を上げる展開となったが、どこまで上昇基調が維持されるのか注目をしたい所だ。
(日経平均 6か月)
(QuickMoneyWorldより)
欧州市場
欧州市場では上値の重い展開が続きそうだ。
EUが米国を含む6か国を渡航安全国リストから除外した事、米国雇用統計が市場予想を大幅に下回ったことを受け上値の重い展開となっていた事に加えて、新型コロナウイルス禍でECBが導入した債券買い入れプログラムを縮小するとの方針を示したことで値を下げる展開となっている。
ストック欧州600指数ではヘルスケア株や不動産株が大きく値を下げている。
今回の債券買い入れプログラムの縮小はテーパリングではないとラガルドECB総裁が強調をしているものの、市場心理は冷え込みを見せていることから上値の重い展開は暫く続くと思われる。
(ラガルドECB総裁)
(Reutersより)
今週の為替(CHN/JPY)
CHNJPY 日足
CHNJPYと少しマニアックな組み合わせであるが、日足で売りのサインが点灯している。
大きなトレンドが転換を迎えつつあり、16.70付近を抜けてきた場合にはダウ理論での売り、下降トレンドへと転換する可能性が出てきている。
無論、16.70を抜けるまでの間に三角持ち合いや切り下げが行われなくなった場合には違う形となり、レンジ相場や上昇への転換となる可能性もあるが、現時点では16.70を抜けた場合には売り目線となり、その場合には直近の高安値の38.2%の16.25、50%の15.90まで値を下げる可能性がありそうだ。
CHNJPYF 4時間足
CHNJPYの4時間足でも日足と同様にトレンドが転換しつつある。
日足と同様に16.70を抜ければ売り目線に転換すると思われ、日足と多少の誤差はあるがほぼ同じ価格まで売り目線が続くと思われる。
日足に比べて売買のタイミングが早いこと、売買が行いやすいことから4時間足での売買をメインで考えつつ、流れの変化や戻りによる処分などの判断を日足も含めて相対的に判断を行っていきたいところだ。
売り目線となった場合、16.360(日足の場合16.250)、16.100(日足の場合15,900)と多少の誤差は生まれているが、抜ければ売り目線で生きたところ。