石田 和哉
12月2週の米国市場は11月の消費者物価指数が6.8%の上昇と、1982年6月以来の実に39年ぶりとなる大幅な伸びを記録した事などもあり米S&Pが過去最高値を更新するなどした。
ホライズン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「きょうの反応を見る限り、市場はCPIの数値をさほど材料視しなかったようだ。市場は常に先行きを見ている。今日の数値は持続的なものではなくピークを示しているのだろう」と述べた。
また、インバーネス・カウンセルのストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「サプライチェーンの問題が主因であることは明らかだ。しかし、この問題は時間の経過とともに緩和される可能性があり、そうなればインフレのアクセルから足が離れるだろう」と述べるなどこのCPIが一過性のものになる可能性があると判断をしている投資家も多くいる。
(VIX指数)
(Reutersより)
12月第2週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
12月13日(月)
08:50 日本10-12月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
12月15日(水)
22:30 米国11月小売売上高(除自動車)(前月比)
22:30 米国11月小売売上高(前月比)
28:00 米国米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
28:30 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
12月16日(木)
21:00 イギリス英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
21:00 イギリス英中銀資産買取プログラム規模
21:00 イギリスイングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:45 ユーロ欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:30 ユーロラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
12月17日(金)
15:30 日本黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
19:00 ユーロ 11月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
19:00 ユーロ 11月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
日米市場
米国市場はCPIの急激な伸びで高値更新となってはいるが、米FOMCを控えている事もあり様子見が増える展開となりそうだ。
オミクロン株への楽観論が浮上しているが、FRBによるテーパリングの加速を表明する可能性やインフレに関する修正もあり得ることからFOMCに注目が集まる静かな展開だ。
日本市場は米FOMCを控えての様子見が強くなりそうだ。
日経平均のボラティリティーインデックスが高い水準になっており、同行に注意が必要に。ここからの戻しがあれば買い場とはなるが、FOMCを無事に通過してからの判断でも遅くはなさそうだ。
(インフレ予想)
(MarketsInsiderより)
欧州市場
欧州では11月ユーロ圏消費者物価指数が5か月連続で上昇となった、ECBのインフレ目標値を大幅に上回ってはいるが、一方で11月ユーロ圏景況感指数は5月以来の低水準に11月のユーロ圏消費者信頼感指数も大幅に低下するなど消費者心理の落ち込みが表れつつある。
消費者での景気減速が強まっていると考えられ、オミクロン株と合わせて先行き不透明感が市場の上値を抑える形となりそうだ。
(ストック欧州600推移)
(Trading Economicsより)
今週の為替(GBP/NZD)
GBP/NZD 日足
GBPNZDの日足ではエリオット波動論の波が終わり、再度の波の形成がなされている。
白線が上昇でのエリオット推進波、青線の調整派で1波~5波、a波~c波の形成がなされ赤線で再度の推進波の形成が見て取れる。
本来であればエリオット波動とフィボナッチ数列(比率)を考える場合が多くあるが、青線での調整派の戻りが強く出ておりフィボナッチ数列では測れない部分となっている。
とはいえ、赤線の推進波の形成には変わりなく、ここからの3波の形成(1波・2波で形成さえれた高値抜け)がなされれば絶好の買い場となりそうだ。
GBP/NZD 1時間足
GBPNZD1時間足ではも同様に白線の推進波、赤線の調整波が終わり、青線で再度の推進波が出ている。
上位足、日足での推移と同様の展開となっているが、1時間足の場合、高値圏に近い部分ある程度、値を上げた部分での上昇の推進波となっている事から上値は重くなる可能性がある。
ここから再度の下降となるには青線の3波が赤線のc波の安値を下回ることで成立する事から、上昇下降どちらの可能性もありそうだ。