石田 和哉
6月4週の米国市場は景気減速の兆候が出ているものの、FRBが積極的な利上げを行わないのではなのかとの憶測が市場を底支えしたことで大きく値を上げる形で週を終えた。
米国経済がリセッション入りするとの陥るのではとの警戒から値を下げる日が多くあったが、FRBが利上げを行わないのではという観測が強くなる形となっている。
チェース・インベストメント・カウンセルのプレジデント、ピーター・トゥズ氏は「積極利上げ観測が後退したことが、この日の株価上昇の一部要因になった」と述べるなどしている。
S&P総合500種が約3%上昇し、1日の上昇率としては2020年5月以来最大の上げ幅となっている。
(米10年国債金利推移)
(Bloombergより)
6月5週・7月1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
6月29日(水)
21:30 米国1-3月期 四半期実質国内総生産(GDP、確定値) [前期比年率]
22:30 米 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
6月30日(木)
15:00 英1-3月期 四半期国内総生産(GDP、改定値) [前期比]
15:00 英1-3月期 四半期国内総生産(GDP、改定値) [前年同期比]
21:30 米5月 個人消費支出(PCEデフレーター) [前年同月比]
21:30 米5月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く) [前月比]
21:30 米5月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く[前年同月比]
7月1日(金)
8:50 日4-6月期 日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
8:00 EU月 消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比]
18:00 EU6月 消費者物価指数(HICPコア指数、速報値) [前年同月比]
23:00 米 6月 ISM製造業景況指数
日米市場
米国市場はFRBが利上げを行わないのではないのかという憶測が強くなり、値を上げる展開となっており、そのままの展開が続くのかどうか注目となっている。
米国経済の後退感が強くなっている中で米国市場では逆に楽観論の出る形で推移しておりここからの展開はいささか不透明感が強くなっている。
日本市場は押し目買いとなるかどうかとなっている。
米国市場に比べると価格は動いていないが、米国市場が値を上げた事からそれにつられて値を上げるのかどうか、米国市場と共に注目したい。
日経平均推移
(Yahoofinancより)
欧州市場
欧州株式市場は反発して取引を終えている。
5月の英小売売上高は小幅に減少となり、6月英国消費者信頼感指数は過去最低を記録したものの、反発となっている。
物価の上昇が将来の経済動向に影響を与える事も考えられ、不況の波が何時、家計を直撃するのか、欧州市場動向に注目していきたい。
(STOXX Europe 600 idex 2年推移)
(QONTIGOより)
今週の為替(GBP/JPY)
GBPJPY 週足
GBPJPY週足では波動論、推進波の1-4が終わり5波目の形成部分となっている。
2015年6月の高値、2016年10月の安値を結んだ61.8%が既に意識される水準となっており何かしらの事件事故・事象が発生しなければここからの下落で調整波のa波を形成する形になりそうだ。
a波の形成が起これば、下降となる事からここからの下落に注意したいところだ。
GBGJPY1時間
GBPJPYの1時間足では三角持ち合いからの抜けの可能性となっている。
上位時間足では売りの可能性が強いことから、下降での抜けとなる可能性が高くなっていると憶測され、下位足の推移を見つつ、直近の安値を意識する展開となるだろう。