石田 和哉
9日の米国市場は続伸して週末を終えている。
週間で見た場合にはダウ工業30種は2.7%、S&P総合500種が3.6%、ナスダック総合が4.1%の上昇とそれぞれがなっている。
8月の米国市場は欧中経済の減速、国債利回り上昇などから売りの優勢となる市場となっておりそれらによる売り圧力の一巡からの一時的な反動ではと言う意見も多くある状況となっている。
ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズの、ジャック・ジャナシウィッチ氏は「今回のようなテクニカルな動きによる反発があっても不思議ではない」とし、「週明けに堅調な地合いで取引が始まり、その後に消費者物価指数(CPI)の発表を控えて若干戻したとしても驚くべきことではない」と述べるなどしている。
市場では週明け火曜に発表される米8月CPIに注目。
ガソリン価格の低下がCPIにどの様な影響を及ぼすのかに注目が集まっている。
米 レギュラーガソリン価格推移
(eiaより)
9月3週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
9月12日(月)
15:00 イギリス7月月次国内総生産(GDP)(前月比)
9月13日(火)
21:30 米国8月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 米国8月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 米国8月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
21:30 米国8月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
9月15日(木)
21:30 米国8月小売売上高(前月比)
21:30 米国8月小売売上高(除自動車)(前月比)
9月16日(金)
18:00 ユーロ8月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
18:00 ユーロ8月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
日米市場
日本市場は米国市場動向に左右されるいつもの展開になると思われる。
13日に米国で発表が行われる8月CPI動向、15日の小売売上高などの重要経済指標もある事から米国市場動向に対して神経質な展開となりそうだ。
米国市場は週末に値を上げ、週間では4週間ぶりのプラスとなったが、今までが売られ過ぎであった事もあり一時的な反動だと考えられるが、ここからどのような展開となるのかに注目が集まっている。
(米ダウ推移)
(ロイターより)
欧州市場
欧州市場は小幅に値を上げる形となっている。
イタリア債がECBの量的引き締めを巡り、10月に討議を開始するとの報道を受けた事でここ数年のイタリア債の主要な買い手となっていたECBが国債の保有量を減らす可能性があるなど10月以降に市場に影響を与える可能性のあるニュースが出ており市場では警戒の動きも出始めている。
英国市場はエリザベス女王の逝去を受け、金融政策委員会の延期を行う発表したものの女王の逝去での市場への直接的な影響はなかったものの、女王の国葬、それに伴う諸々の準備などから英国市場が数日の休場となる可能性もあり、そちらでの影響は多少発生する可能性がありそうだ。
(バッキンガム宮殿前に集まる人々)
(CNBCより)
今週の為替(GBPUSD)
GBP/USD 日足
GBP/USDの日足では波動論上の5波までの形成がなされた可能性が見て取れる。
見方によっては長いb波の形成ともとれるが、どちらの判断でもここからの上昇となる可能性が出てきている。
大きな下降トレンドでの波動論の推進波の形成であり、十分な下落となっている事からも、この価格帯からの戻りには期待も持てそうだ。
5波までの形成であった場合にはオレンジの雲、赤のMAを抜ける必要もありトレンド転換までに少々時間がかかりそうだ。
GBPUSD 4時間足
GBP/USDの4時間足では上位の日足よりも1足早く調整波aの形成がなされている。
既に転換に必要な雲とMA抜けは達成しており、ここからの下落とそこからの再上昇でbとc波の形成がなされると思われる。
b波の形成によって作り出されるa-bでの山を抜ける事(直近の高値となる)でトレンドが形成。
ダウ理論の切り上げ、グランビルの上げ上での買い2・3の形成となる事から注意をしてしっかりと形成を待ってトレードを行っていきたい所となっている。