石田 和哉
16日の米国市場は値を下げて取引を終えた。
フェデックスは前日に発表した第1・四半期暫定決算で景気減速により世界的に出荷量が低迷したと明らかにし、第2・四半期に事業環境が悪化すると見込む中、6月に示した通期業績見通しを取り下げた事が市場にとっての重石、リスクとなり米国市場は値を下げる展開となった。
フェデックスの決算を受け市場ではFRBによる利下げが想定よりも早く行われるのでは?という思惑も再燃する形となっており、難しい展開となっている。
フェデックスの発表は世界の需要鈍化が加速するという警告でもあり、成長の鈍化がインフレを抑制するのではというシナリオも出てきている。
米フェデックス株価推移
(reuterより)
9月4週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
9月20日(火)
08:30 日本8月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
08:30 日本8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比)
08:30 日本8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
9月21日(水)
27:00 米国米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
27:30 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
9月22日(木)
日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利
15:30 日本黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
20:00 イギリスイングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:00 イギリス英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
日米市場
日本市場は引き続き米国市場動向に左右される流れが予想される。
9月20~21日のFOMC、9月21~22日の日銀政策決定会合といったイベントもある事から日本主体で大きく動くことはなさそうだ。
米国市場はフェデックスの決算発表によって、世界の需要の鈍化が示されたことなどから方向性の見え難い状況となっている。
FOMCでの進捗や発言などには注目が集まると思われ、FRBが23年の利下げ開始を示唆するのかどうかで市場は波乱に満ちた展開となるのではないのだろうか。
(米10年債 利回り)
(ロイターより)
欧州市場
欧州市場も米国市場の影響を受ける形で値を下げる展開となった。
IMFと世界銀行が景気悪化を警告した事や米国でフェデックスが世界的な需要悪化を警告した事なども重石となり、英国では8月の英小売売上高が市場予想を下回るなどしたことで欧州市場は英国、EUともに下落の展開となっている。
週明けに行われるFOMC、日銀政策決定会合、英中銀金融政策委員会と金利系のイベントが目白押しである事からも上値の重い展開となりそうだ。
(STOXX EUROPE600 推移)
(QONTIGOより)
今週の為替(EUR/USD)
EUR/USD 日足
EUR/USDの日足を波動論上で見た場合1-5波、a-c波を形成後、同じトレンド方向での1-5波の形成、a-c波の形成を繰り返している様に見て取れる。
更に大きな時間足で見た場合でも下降トレンドでの推進波の形成となっている。
ここからの戻りが発生するかどうかは正直なところ不透明と言えるが、波動論やダウ理論などトレンド判断が可能な分析であれば次のトレンドを感知することは可能であるので、じっくりと分析を行い、トレードの判断を行ってほしい。
下げすぎだからではトレードをするのではなくダウ理論の切り上げ下げ、エリオット波動論上の第何波であるとしっかりとトレードの依り所を明確にしてからトレードに臨みたいところだ。
EUD/USDに関してはここからの戻りがあれば調整波a-cの形成が移動平均を超えて行われる可能性が高く、それらの形成を待ちたい所なっている。