石田 和哉
9月30日の米国市場は主要3指数が3四半期連続の下げとなる波乱の展開となった。
S&P総合500種とナスダック総合は08年以来となる14年ぶりの連続安、ダウ工業30種では7年ぶりとなる連続安とそれぞれが推移している。
市場はすでに弱気相場入りとなっており、第3四半期は歴史的な高インフレ、金利の上昇と景気後退懸念など波乱に満ちた展開となっている。
米ミシガン大学が30日発表した9月の消費者信頼感指数は58.6と速報値59.5から下方修正された。また、米商務省が発表した8月個人消費支出は前月より0.4%増え、市場予想の0.2%増を上回った。
一方で8月のPCE価格指数は0.3%上昇とインフレ圧力が8月も高まっていることが示された事でFRBによる積極的な利上げが継続されるのではと言う市場の懸念も高まる形をとっている。
10月1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
10月3日(月)
08:50 日本7-9月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
23:00 米国9月ISM製造業景況指数
10月5日(水)
21:15 米国9月ADP雇用統計(前月比)
23:00 米国9月ISM非製造業景況指数(総合)
10月6日(木)
20:30 ユーロ欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
10月7日(金)
21:30 米国9月失業率
21:30 米国9月非農業部門雇用者数変化(前月比)
21:30 米国9月平均時給(前年同月比)
21:30 米国9月平均時給(前月比)
21:30 カナダ9月新規雇用者数
21:30 カナダ9月失業率
日米市場
米国市場が週末に大きく崩れた事から日米ともに上値の重い展開になると思われる。
FRBをはじめとした各国中央銀行による利上げが長期的に世界経済を失速させるという懸念から値を下げている市場だが、10月1週も上値の重い展開で推移することは間違いなさそうだ。
日本市場は外部環境、特に米国市場の悪化が懸念材料として意識する事となるが、週末発表される米国雇用統計次第はリバウンドとなる可能性もある事から、週末にかけて米国市場の展開には注意したい所となっている。
(日経225 2022年推移)
(Yahoofinancより)
欧州市場
欧州市場は反転した。
米国市場の弱気の相場展開を横目に欧州市場は英国第2四半期のGDP値が市場予想を上回るサプライズなった事から上昇となった。
欧州市場でも、それを受けて値を上げる展開となったが、四半期は3期連続の下落と先行きの見えない状況は続いている。
オーバル・マネーのオンライン・サービス責任者、マイケル・ベイカー氏は「インフレが制御されるまで(市場には)一種の不安感があるだろう」と指摘するなどしている。
週末の米国雇用統計、ロシアによるウクライナ侵攻の続報など外的要因による市場展開はまだまだ続きそうだ。
(STOXX EUROPE600推移)
(QONTIGOより)
今週の為替(USDCAD)
USD/CADの日足ではフラッグからの抜けが発生している。
緩やかな切り上げでの推移であれば1.43600付近を高値の目安とした緩やかな上昇が発生する可能性がある。
その場合には図中に記載しているようなフラッグ、緩やかな上昇を描く可能性がある。
大きく見た場合、小さく見た場合でも波動論の1-5波、a-c波は発生しているが、フラッグで示される様な形の場合の方が意識されやすい可能性がある事から今回はフラッグでの判断を行っている。
もう1つのシナリオとして現在の価格帯が図中<<trendの61.8%前後である事から、ここからの下降トレンド(調整)を行う場合が考えられる。
その場合には現在の価格を高値としての下降のフラッグ、下降での波動論・ダウ理論の形成が行われると予想される。
パターン1と2どちらであってもダウ理論の切り上げ下げは行われるが、パターン1の場合には上値の余地がそれほどないこと、パターン2の場合には切り下げの安値の切り下げが確定しなければ売りでのポジションを取りにくい、取れないことに注意をしたい所だ。