石田 和哉
10月21日の米国市場は12月の会合でこれまで予想されてきた以上、小幅な利上げを検討する可能性が大きいという報道があった事で安心感が市場参加者を中心に広まった事で市場は大きく値を上げる展開となった。
最終的に週間でS&P総合500種は4.74%、ダウ工業30種は4.89%、ナスダック総合は5.2%の上昇となっており、過去4か月で最大の上昇率となった。
サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は21日、過度な金融引き締めによる「自発的な景気低迷」を回避すべきとし、利上げペースを緩める時期に差し掛かりつつあるという認識を示した。
シカゴ地区連銀のエバンス総裁も、FRBは成長を抑制して過度に高いインフレを低下させるために、来年初までに4.5%を「やや上回る」水準に政策金利を引き上げ、その水準を維持すべきとの見解を改めて示すなどしている。
米国市場が大きく値を戻したことで日本欧州も大きく値を戻すと思わるが、週明けの米国市場がどの様な展開となるのかに注目が集まりそうだ。
(米10年債利回り推移)
(Bloombergより)
10月4週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
10月26日(水)
23:00 米国9月新築住宅販売件数(前月比)
23:00 米国9月新築住宅販売件数(年率換算件数)
10月27日(木)
21:15 ユーロ欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 米国7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比年率)
21:45 ユーロラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
10月28日(金)
日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
日本日銀展望レポート
15:30 日本黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
17:00 ドイツ7-9月期国内総生産(GDP、速報値、季調前)(前年同期比)
17:00 ドイツ7-9月期国内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
17:00 ドイツ7-9月期国内総生産(GDP、速報値)(前期比)
21:30 米国7-9月期四半期雇用コスト指数(前期比)
21:30 米国9月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比)
21:30 米国9月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
21:30 米国9月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
日米市場
米国市場ではビックテックの決算が予想されている。
ビックテックはGoogle、Apple、Meta、Amazon、Microsoftの5社をさしており24日から28日までの間に発表されるビックテックの企業決算が年末商戦にどの様な見通しを出すのか、需要動向などと合わせて注目を浴びそうだ。
米国の急激な戻りを受けたアジア・欧州市場の反応に期待したい所ではあるが、日本市場では90年以来となる円安など企業を取り巻く環境は難しいものがありそうだ。
BigTech
(mailfence.comより)
欧州市場
欧州株式市場は堅調な流れで週を終えている。
米国市場が堅調に推移したことに加えて、英国では21日に発表された9月英国小売売上高が1.4%減となり市場予想を超える減少幅となった事で市場の上値を重くする展開となった。
政治的な混乱、英エリザベス・トラス首相が就任から1か月半での辞任と英国首相として最短での辞任を発表するなどの混乱もあったものの、FRBによる利上げ幅の縮小期待がそれらを打ち消す形となり、英国市場は値を上げる展開となった。
一方で欧州市場はECBによる大幅な利上げが行われる事が見込まれる事やドイツのアディダスの業績悪化による景気後退懸念などが市場を重くし、値を下げる展開となった。
(辞任会見を行うトラス首相)
(Daniel LEAL / AFPより)
今週の為替(WTIOIL)
WTIOIL 4時間足
WTIOIL 4時間足は波動論上のa‐c波の形成が終わったと思われる。
ここからの上昇の推進波となるのか下降の推進波となるのかで売り買いが異なってくる非常に面白い部分となっている。
1波までの形成が成されており、2波が終わり高値のHを抜ける事で3波となれば直近高値のHを抜ける上昇トレンドでの推進波に。
2波がそのまま下降し続け、Lを抜けてくれば直近安値のLを抜ける下降トレンドの形成となる。
上昇トレンドの場合には3波の形成となり、波動論で言われる最も伸びの長い部分での売り買いが可能となりそうだ。
下降トレンドの場合には2波の形成による1波2波で出来た直近安値のL抜けという事で抜けても戻りの可能性(直近安値から最安値の間で戻る)が見て取れる。
原油価格という事もあり、ウクライナ情勢や世界経済の推移などにも大きく影響を受けるが現在の位置は非常に面白い部分ではあるので、注目したい部分となっている。