石田 和哉
11月18日の米国市場は不安定な流れとなっていた市場動向の中、反発する形で18日を終えた。
FRB高官のタカ派的な発言がFRBによるインフレ対応の利上げが一旦停止するのではという憶測が出るなど、タカ派発言への警戒などはあったものの、市場は冷静な対応となっている。
市場は週間で見た場合、S&P500種が0.7%安、ナスダックは1.6%安で推移している。
トラスト・アドバイザリー・サービスの共同最高投資責任者のキース・ラーナー氏は、FRB当局者による「非常にタカ派的な発言が続いているが、市場は実に冷静に受け止めている」とし、「これまでのように市場を押し下げることはなかった」と述べ、市場は様子見の姿勢が強くなった。
ハト派の転換期待、米中緩和への期待などが市場の底支えをする形で推移すると見られており米国雇用統計へ向けた様子見の姿勢が強くなっている事もあり、米国市場が大きく値を上げる事は難しくなっている。
(ダウ推移)
(Reutersより)
11月4週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
11月23(水)
24:00 米国10月新築住宅販売件数(前月比)
24:00 米国10月新築住宅販売件数(年率換算件数)
28:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
11月24日(木)
21:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
11月25日(金)
16:00 ドイツ7-9月期国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
16:00 ドイツ7-9月期国内総生産(GDP、改定値、季調前)(前年同期比)
16:00 ドイツ7-9月期国内総生産(GDP、改定値)(前年同期比)
日米市場
日本市場は米国市場がはっきりとしない展開となっている事、自力での上昇が難しいことなどもあり、静かな展開、底固めともいえる展開となりそうだ。
年末までに大きく値を伸ばすことも考え難く、単独での大きな上昇と言うのも難しいという何とも言えない市場展開となりそうだ。
米国市場はFRBのハト派転換期待、米中緊張緩和、年末商戦を控えた中での小売企業の決算と右往左往する展開となると思われる。また、24(木)は感謝祭の祝日であり米国市場は休場のため方向感が見え難いところもある。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
英国・EU市場共に値を上げる展開となっている。
ECB幹部が政策金利の引き上げ幅を縮小するのではと言う期待が市場を押し上げる形となった。
18日に発表された10月英小売売上高は小幅な回復にとどまっており、インフレの進む英国ではコロナウイルス流行前の水準にまで回復できない小売業の苦戦が表れている。
18日にはドイツ国内総生産の発表、24日にはECB理事会議事要旨、11月PMIなどイベントも控えており、市場動向には注目していきたいところだ。
(英国市場推移)
(Reutersより)
今週の為替(EUR/JPY)
EUR/JPY 4時間足
EUR/JPY4時間足では波動論上の推進波とも調整波とも捉えられる形となっている。
前に出現していたトレンドで5波の形成がはっきりと確認できない事から現在の推移を波動論の1-5波、a-c波の両方を記載する形で表記している。
調整波として市場がとらえた場合には現在の戻りが1波となり、1波形成(4 or 1)によって上下両方向へのトレンドが発生、上下どちらであってもトレンドの期待はできそうだ。
推進波として捉えた場合には4波の戻り、5波の抜けが期待できるが、下降トレンドはそこまで勢いを期待することができない可能性が高く、適切な利益確定値、損失確定値を設定しながらの取引が望ましいと考えられる。