石田 和哉
9日に発表された11月米卸売物価指数が前年比、前月比ともに上昇率が市場予想を上回った事米ミシガン大学12月消費者信頼感指数が前月から上昇し、消費者心理が改善したものの、米国市場はFOMCの利上げを前に値を下げる展開となっている。
BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンゲン氏は11月のPPIについて「強い結果になった」とし、「市場では来週のCPIも同様の結果になることが警戒されている」と述べるなどしている。
インフレは鈍化傾向にあり、今後一段と鈍化する事から利回りの上昇も一旦収まると思われており、12月後半は比較的緩やかな展開、波乱のない展開となりそうだ。
一方で米中の半導体輸出についても動きでも出てきており、米国は半導体関連について政府要人同士の話し合いの情報が発信されており、影響を及ぼす可能性がありそうだ。
(米PPI)
(米労働統計局より)
12月3週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
12月13日(火)
22:30 米国11月消費者物価指数(CPI)(前月比)
22:30 米国11月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
22:30 米国1月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
22:30 米国11月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
12月14日(水)
08:50 日本10-12月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
28:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
28:30 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
12月15日(木)
21:00 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
21:00 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
22:15 ユーロ欧州中央銀行(ECB)政策金利改定値)(前期比)
22:30 米国11月小売売上高(前月比)
22:30 米国11月小売売上高(除自動車)(前月比)
22:45 ユーロラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
12月16日(金)
19:00 ユーロ 11月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
19:00 ユーロ11月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
日米市場
日本市場は上値の重い展開となりそうだ。
市場では14日に10-12月日銀短観、四半期大企業業況判断が発表されることから短観の内容に市場は右往左往されそうだ。
年内の上昇、大納会の展開が見えにくい中での短観である事、週の半ばに米国で発表されるFOMCや小売売上高など12月最後の大イベントもある事から米国市場の出方をうかがう1週間となりそうだ。
米国市場は上記で述べたFOMCや小売売上高に一喜一憂しながらも、クリスマス商戦の推移を見つめる週となると考えられる。
(日銀短観 9月発表データ 14日の短観では4期連続で悪化と予想されている)
(日本銀行より)
欧州市場
英国・欧州市場共に値を上げる展開となった。
英国では政府による金融規制改革案を受けた金融株が買い支えとなり、週明けに行われる英中央銀行金融政策決定を控えての様子見が強い形に。
欧州では中国のコロナウイルス規制の緩和への期待から工業株や金融株が買われたもののこちらも同じく週半ばに行われるECBのラガルド総裁の記者会見を前に様子見が強い展開となっている。
(ラガルド総裁 11月28日 ECB本部にて)
(Bloombergより)
今週の為替(GBP/JPY)
GB/PJPY 4時間足
GBP/JPY4時間足では波動論上の調整波a-c波の形成が終わり、次のトレンド形成のための推進波3波の形成と中途なっている。
赤線で示した部分までに1-2波の形成は終わっていると思われ、赤線の高値を超えてくることで再度の上昇トレンド形成となっている。
1-2波で形成された高値を抜けることが出来なければレンジ、若しくは三角持合、フラッグと呼ばれる形となりトレンドのはっきりとしない流れとなりそうだ。