石田 和哉
6日に発表された米国雇用統計は非農業部門雇用者数が22.3万人増と堅調な雇用の伸びを示したこと、失業率も3.5%に改善した事から市場ではFRBによる利上げが緩和されるのではないのかという憶測が市場で多勢を占めた結果、市場は2%超の上昇幅となった。
年末年始と不安定な相場展開となっていた米国市場にとっては久々の堅調相場となっている。
同日発表された12月非製造業総合指数は49.6と2年7か月ぶりに50を割り込んでおり、米国経済の大多数を占めるサービス業の縮小が今後、米国経済にどのような影響を及ぼしていくのか注目したい所となっている。
バーデンス・キャピタル・アドバイザーズのメーガン・ホーンマン最高投資責任者(CIO)は「賃金の伸びが鈍化しインフレ面では良いニュースだ。労働参加率は再び上昇し、雇用もまだ創出されている。これは経済にとってある意味ウィン-ウィンだ。ただ一方で、ISM非製造業は本当に軟調で広範囲にわたって弱かった」と指摘。「このため、ここ数十年で最も積極的なFRBの引き締めサイクルが終わりに近づいているとの見方が広がり、株高につながった」と述べた。
(米ダウ推移)
(REUTERSより)
1月2週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
1月10日(火)
18:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
1月12日(木)
22:30 米国 12月消費者物価指数(CPI)(前月比)
22:30 米国 12月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
22:30 米国 12月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
22:30 米国 12月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
1月13日(金)
16:00 イギリス11月月次国内総生産(GDP)(前月比)
日米市場
日本市場は一端の上昇が見込まれる。
日本市場は大納会、大発会の両日で軟調な展開となった事、年始で大きく値を下げた所で米国市場が雇用統計を受け大きく値を戻したことなどもあり、一時的に上値を追いかける展開となりそうだ。
米国市場でFRBによる利上げ路線の懸念が後退した事もあり、米国市場も好調な展開となりそうだ。
(日経平均推移)
(日本経済新聞社より)
欧州市場
英国・欧州市場共に値を上げる展開となり、英国ではFTSE100種指数の終値が4年5か月ぶりの高値となった。
6日に発表された米国雇用統計を受け、世界の株式市場は軒並み好調な展開で推移。
STOXX EUROPE600は2022年5月以来、7か月ぶりの高値、週間で4.6%の上げ幅となっている。
また、12月ユーロ圏景況感指数もロシアによるウクライナ侵攻以来、初めて改善した事でインフレ期待も急低下した。
CMCマーケッツのチーフ市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏は「堅調な数字は、米経済が今後数ヶ月にかけてハードランディング(強硬着陸)型の景気後退を回避できるという楽観的な見方を強めるのに役立っている。これが好調なFTSE100種指数のパフォーマンスに反映されている」と述べるなどした。
(EU 12月景況感指数)
(European Commission https://commission.europa.eu/ より)
今週の為替(GBP/USD)

GBP/USD 日足
GBP/USDの日足で見た場合、大きな下降トレンドの流れからの戻りが形成されている部分となっている。
移動平均線を上回った後に、値を戻すことで高値安値の形成となる事から、今の価格帯から移動平均線付近までしっかりと値を下げる事で波動論・ダウ理論・グランビルの法則などでのトレンド形成が意識される部分を確りと見ていきたい所となっている。
値を戻す形となった場合には青線の一番上61.8%を抜けてくるのかどうかに注目と言った所であり、値を下げる形となった場合には再度の高安根形成、高値安値の切り下げ形成からの下降トレンド移行を見て行きたいところだ。
GBP/USD 4時間足
GBP/USD4時間足では波動論上ではa-c波からなる調整波となっており、ここからの下降に期待ができる部分となっている。
上位時間足、日足でもトレンド形成上では移動平均線にまで値を戻す必要がある事から、ある程度のトレンドを伴った流れが発生する可能性は高い。
a波の形成が終わり、bでの戻しが5波とa波で形成された高値を超えないまま、a波とb波で形成された安値を下回る事でダウ理論上での切り下げ、下降トレンドの形成ともなり、安値抜けでは絶好の売り場となる。
上位の日足の動きを見ながら、4時間足の安値抜けでトレードを行っていきたい所となっている。