石田 和哉
28日の米国市場は景気懸念を企業の好決算が相殺する形となった。
同日発表された米個人支出が前年同月比4.2%上昇と、伸びは前月の5.1%から鈍化。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数も前年比4.6%の上昇と前月の4.7%から鈍化するなどした事でFRBが来週の会合で追加利上げを実施するという観測が強まり一時は上値の重い展開となった。
その後、石油大手エクソンモービルや半導体インテルの好決算が市場をけん引する形で推移し、米国市場は値を上げる形となった。
チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は「悲観的な見方が多かったものの、今週発表された企業決算は総じて予想を上回り、さほど悪い決算シーズンではないことが浮き彫りとなった」ものの、アップル決算やFOMC、4月の米雇用統計の発表を控え、投資家はなお慎重になっている可能性があると述べた。
(米PCE)
(https://www.bea.gov/より)
5月1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
5月1日(月)
23:00 米国4月ISM製造業景況指数
5月2日(火)
13:30 オーストラリア豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
18:00 ユーロ消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比)
18:00 ユーロ4月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比)
5月3日(水)
21:15 米国4月ADP雇用統計(前月比)
23:00 米国4月ISM非製造業景況指数(総合)
27:00 米国米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
27:30 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
5月4日(木)
21:15 ユーロ欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:45 ユーロラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
5月5日(金)
21:30 米国4月非農業部門雇用者数変化(前月比)
21:30 米国4月平均時給(前年同月比)
21:30 米国4月平均時給(前月比)
21:30 米国4月失業率
21:30 カナダ4月失業率
21:30 カナダ4月新規雇用者数
日米市場
日本市場は大型連休GWに入る事から連休明けの8日からが市場の展開は本格化する
と思われる。
12日が企業決算のピークを迎える事、GW中にFOMC、米国雇用統計などの重要経済指標の発表も行われる事などから、様子見が多勢を占めそうだ。
米国市場はFOMC、雇用統計などの経済指標発表が控えており、0.25%の利上げ見込みが市場予想通りと行くのかなど注目となっている。
週末はエクソンモービルやインテルの好決算に助けられたが、雇用統計の数字次第と言う不安定な状況、利上げの内容などまだまだ注意は必要だ。
(米エクソンモービル・インテル株価推移)
(Bloombergより)
欧州市場
英国欧州市場共に上昇で推移する展開となった。
英国市場は月間で見た場合、FTSE100種は3.13%の上昇、FTSE250種は2.62%の上昇となっており、コモディティー株が底支えを行った形となっている。
欧州市場は月間でSTOXX EUROPE600が1.92%の上昇となっており、ディフェンシブ銘柄が不調となったテクノロジー株、資源株を支えた格好となっている。
週の半ばに開催されるECBとドラギ総裁による記者会見、米国雇用統計などのイベントには注意が集まると思われ、数字や発表内容に一喜一憂する展開は続きそうだ。
(STOXX EUROPE600推移)
(CNBCより)
今週の為替(USD/JPY)
USD/JPY日足
USDJPY日足では調整波a-cと思われる部分となっている。
調整波とするか推進波とするかの判断は状況によって異なるものの、推進波1-3波の1-2波によって形成された高値抜けの3波とa-c波のa‐b波によって形成された高値抜けのc波での買い目線は一致している。
推進波の形成・調整波の形成のどちらでとらえるのか?次第ではあるが買いでのチャンスは目前にまで来ている。
また、日銀植田総裁が10日の就任会見で、大規模な金融緩和を継続する考えを示したことから外国為替市場で円安に進んだことにより、米国、ユーロなど緩和が続くのであれば一層の円安方向に進む流れになる可能性が考えられる。ユーロでは14年半ぶりの150円台にもなっており、円売りは続く見通しと市場はとっていると思われる。