石田 和哉
30日の米国市場はアップルの時価総額が再び3兆ドルの大台となった事、30日朝方に発表された5月の個人消費支出の伸びが鈍化した事を受け、利上げサイクルが終了に近い事との見方が強まった事などが追い風となり、米国市場は3指標が揃って上昇となった。
NFJインベストメント・グループのポートフォリオ・マネジャー、バーンズ・マッキニー氏は「景気は冷えつつあるが、それほど大きく冷え込んでいるわけではないため、全てが上昇している」と指摘し、「FRBは景気を悪化させることなく、インフレを引き下げることができる可能性がある」と述べた。
上半期ベースではナスダック総合が31%の上昇と、40年ぶりの上昇を記録、ナスダック100では過去最大の上昇率となっている。
(ナスダック推移)
(Reutersより)
7月第1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
7月3日(月)
08:50 日本 4-6月期日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
23:00 米国 6月ISM製造業景況指数
7月5日(水)
27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
7月6日(木)
21:15 米国 6月ADP雇用統計(前月比)
23:00 米国 6月ISM非製造業景況指数(総合)
7月7日(金)
21:30 米国 6月非農業部門雇用者数変化(前月比)
21:30 米国 6月平均時給(前年同月比)
21:30 米国 6月平均時給(前月比)
21:30 米国 6月失業率
日米市場
日本市場は下げも上げも考えにくい展開となっている。
6月19日に33772円の高値を付けた後の下降、6月末にかけての戻りとここからの売り買いが非常に行いにくい部分となっている。
海外投資家による売買状況も現物は買い越し、先物は売り越しと判断の付きにくい部分となっており、海外投資家の売買による市場のけん引は起こりにくいのでは?と言う状況ともなっている。
日本経済への期待が転換を迎えるのか、それともそのまま期待が続くのか、注目したいところでもある。
米国市場は週末の雇用統計に向けて調整相場、基本は上昇基調の相場展開となるのではないのだろうか。尚、4日火曜日の米国市場は独立記念日で休場となる。
日経225推移
(Reuterより)
欧州市場
英国市場は続伸、EU市場は反発と両市場ともに値を上げる形で週を終えている。
EU市場は30日に発表された中国の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)が振るわなかったことから一段の景気刺激策への期待が高まり、買い注文が優勢となった。
パンテオン・マクロエコノミクスの欧州担当シニア・エコノミスト、メラニー・デボノ氏は「インフレ率はさらに縮小し、コアインフレ率も高止まりするものの緩やかになると見込んでいる」とし、「ECBは7月の追加利上げを既に確約しており、第2・四半期の平均インフレ率が予想の6.2%と一致したことから利上げを進めるだろう」と述べるなどしている。
(STOXX EUROPE600推移)
(QONTIGOより)
今週の為替(NASDAQ)
NASDAQ100 4時間足
ナスダック100の4時間足で見た場合、2つのシナリオが用意されている。
1つめのシナリオはライン1を上抜けてくるパターンであり、上昇トレンドが継続となった場合、高値安値の切り上げが行われ、1の高値を超えてくることで上昇トレンドが継続。その場合には1の高値を切り上げる必要、2の安値を切り上げる必要がある。矢印で推移した場合に2のラインより高値で値を戻す(上昇する)必要がある。
2つめのシナリオはライン2を下抜けてくるパターンであり、下降トレンドへの転換、若しくは上昇トレンドが終わりもみ合い、一過性のレンジに入る可能性となる場合だ。トレンドの転換部分、最終局面では必ず高値安値の切り上げ下げが逆の方向となる。
上昇トレンド→転換であれば高値の切り上げが行われずに切り下げに転化。
下降トレンド→転換であれば安値の切り下げが行われずに切り上げに転化。
ライン1、ライン2を抜けるのか抜けないのかでシナリオが2つに分岐する。
レンジ相場と言う見立ても可能ではあるが、転換した相場いずれトレンドとなる事からライン1、ライン2のいずれかを抜けたとき、その時の形を見て判断を行いたいところだ。