石田 和哉
27日の米国市場は週間で見た場合では、3週連続の値上がりとなったが、週末の27日は今週開催されるFOMCを前に前日比+0.08%増と動意に欠ける1日となった。
米商務省の発表した12月個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減と2月連続の減少となっておりインフレの鈍化継続を示す形となった。
マネックス・ヨーロッパのFX分析部門責任者、サイモン・ハーベイ氏は「PCE価格指数はほぼ予想通りの着地となり、米連邦準備理事会(FRB)の今後の決定にはほとんど影響を及ぼさない」と指摘。「最新のインフレデータを受け、FRB当局者は市場をスローペースに誘導することが可能だ。制約的な金融政策の期間に関する当局者の考えを考慮すると、物価上昇圧力が緩やかになることで、FRBは3月までに金利をターミナルレート(政策金利の最終到達点)水準の5%に引き上げるだろう」と述べるなどした。
(ナスダック平均・ダウ平均推移)
(REUTERSより)
2月1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
1月30日(月)
18:00 ドイツ10-12月期国内総生産(GDP、速報値)(前期比)
18:00 ドイツ10-12月期国内総生産(GDP、速報値、季調前)(前年同期比)
18:00 ドイツ10-12月期国内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
1月31日(火)
19:00 ユーロ10-12月期四半期域内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
19:00 ユーロ10-12月期四半期域内総生産(GDP、速報値)(前期比)
22:30 米国10-12月期四半期雇用コスト指数(前期比)
22:30 カナダ11月月次国内総生産(GDP)(前年同月比)
22:30 カナダ11月月次国内総生産(GDP)(前月比)
2月1日(水)
19:00 ユーロ1月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比)
19:00 ユーロ1月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比)
22:15 米国1月ADP雇用統計(前月比)
24:00 米国1月ISM製造業景況指数
28:00 米国米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
28:30 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
2月2日(木)
21:00 イギリス英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
21:00 イギリスイングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
22:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:45 ユーロラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
2月3日(金)
22:30 米国1月非農業部門雇用者数変化(前月比)
22:30 米国1月平均時給(前年同月比)
22:30 米国1月平均時給(前月比)
22:30 米国1月失業率
日米市場
日米ともに上値の重い展開となりそうだ。
日本市場は上値を追いきれない展開が続いており、個別銘柄の物色の動きが市場の動意の大半を占める可能性がある事から、方向性の見えにくい上値の重い展開が続くことになるだろう。
米国市場は週半ばのFOMCを前にして、利上げの鈍化が織り込み済みとなるとは思われるが、ブレイナード副議長のハト派発言や観測記事などから利上げ減速期待の強くなるじり高となる可能性はある。
とはいえ、今週は大きなイベントが多く、FOMCで何が起こるのかは未知であることから、市場は様子を見ながらの推移となりそうだ。
(ブレイナード副議長)
(Bloombergより)
欧州市場
英国市場は動きのない展開に、EU市場は続伸となって取引を終えている。
英国では主要中央銀行の金融政策決定会合が週明けに行われることから手控えがEUでは主要中央銀行の金融政策決定会合に注目が集まっているものの米国で発表された12月の個人消費支出の結果を受け、投資家心理は改善、買いの入る展開となっている。
エクイティ・キャピタルの首席マクロエコノミスト、スチュアート・コール氏は「業績面はまちまちだ。一部の企業はしっかりしているようだが、期待外れの数値を報告している企業もある」と指摘するなど、今後の展開はまだまだ流動的なものとなりそうだ。
(英国市場・フランス市場・ドイツ市場推移)
(Reutersより)
今週の為替(USD/CAD)
USD/CAD 日足
USD/CAD日足では三角持ち合いを形成している。
三角持ち合いは底辺の二等辺三角形、どちらが直角での直角三角形で相場の流れを判断する事が可能である。
二等辺三角形の場合には相場は均衡=均衡している三角持ち合い
左上の角が直角であれば上向きの可能性=先行き強気の三角持ち合い
左下の角が直角であれば下向きの可能性=先行き弱気の三角持ち合い
と判断することができる事から今回の三角持ち合いは均衡よりも少し先行き弱気と言った所となっており、下抜きの場合の方が勢いは付きそうだ。