石田 和哉
11日の米国市場はナスダック総合・S&P総合が値を下げる展開となり、ダウ平均は上昇するなどまちまちの展開となった。
ナスダック2週連続安は今年に入って初めて。週間ではS&P500が0.3%安、ナスダックは1.9%の下落となっている。
労働省が11日発表した7月の卸売物価指数(PPI)は前月比で0.3%上昇、前年比では0.8%上昇となった。エコノミストの予想は、前月比0.2%上昇、前年比0.7%上昇であり、予想よりも物価は下がっていない。
アメリプライズ・ファイナンシャルのプライベートウェルスアドバイザー、ジェイソン・ベッツ氏は「ここ数日、いくつかの重要なニュースやデータが発表されたが、市場は横ばいとなった。これは、市場があらゆることを織り込み済みで、嬉しい驚きも不愉快な驚きもなかったことを物語っている」と述べるなどしており、はっきりとしない市場動向が続いており、市場参加者も今一つ意志の決定を行う事が出来ない状況を表している。
(米国卸売物価指数データ)
(米労働省より)
8月第3週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
8月15日(火)
08:50 日本 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(年率換算)
08:50 日本 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比)
21:30 米国 7月小売売上高(除自動車)(前月比)
21:30 米国 7月小売売上高(前月比)
8月16日(水)
18:00 ユーロ 4-6月期四半期域内総生産(GDP、改定値)(前年同期比)
18:00 ユーロ 4-6月期四半期域内総生産(GDP、改定値)(前期比)
27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
8月18日(金)
08:30 日本 7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比)
08:30 日本 7月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
08:30 日本 7月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
18:00 ユーロ 7月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
18:00 ユーロ 7月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
日米市場
日本市場は週明けにも決算発表が一巡する事、主要取引機関によっては夏季休暇となるなど夏枯れ相場の時期を迎えており、市場の商いは薄い展開で推移しそうだ。
秋相場に備えた買い場とするのか、長引く可能性のある調整相場として仕込みとするのかどちらにせよ、年末に備えた仕込みの時期となると思われる。
米国市場は様々な材料・経済指標に対しての反応が場慣れしている感が強くなっており方向性の見えにくい、分かりにくい状況で推移することは間違いなさそうだ。
(米ダウ推移)
(CNBCより)
欧州市場
欧州市場は英国・EU市場共に値を下げる展開となっている。
英国で発表された英国国内総生産の成長率が予想を上回る形となった事でイングランド銀行による追加利上げの観測が高まり売りが売りを呼ぶ展開となった。
欧州でも世界的な金利の高止まりを警戒した売りが強くなり値を下げる展開となっている。
米卸売物価指数の上昇率が予想より大きかったこともあり、追加利上げの懸念も重石となっている。
(STOXX EUROPE600)
(CNBCより)
今週の為替(WTIOIL)
WTIOIL 日足
原油価格の話をしたい。
4時間足では上昇基調が続いている事から1つ上の足で数か月~スケールでの予想を行う。
126ドルから下降し続けたOILは2023年5月に63ドル台の安値を付けたものの、その後は上昇に転じ、現在は85ドル前後で推移している。
日足で見た場合、126ドル→63ドルの50%、38.2%が94ドル、87ドルでそれぞれが意識をされる状況となっており、現在の価格からの調整、若しくは87ドル台を確認した後に調整が入る可能性が見て取れる。
その後、再度の上昇となるようであれば94ドルまでの戻りはあると思われる。
ロシアによるウクライナ侵攻などの結果次第では原油価格の方向性もぶれる可能性があるが現状で読み取れる部分では上記となっており、注目したい。