石田 和哉
7日の米国市場は、9月の米国雇用統計が幅広い職種で増加した事を受け急反発となった。
9月米国雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比33万6000人増と市場予想の17万人増を大幅に上回り、幅広い業種で増加する形となった。
過去8カ月で最大の伸びとなり、失業率は3.8%となっている。
S&P500とナスダック総合は8月以来最大の上昇率となっている。
ダコタ・ウェルスのシニアポートフォリオマネージャー、ロバート・パブリク氏は「景気は鈍化しているものの、低迷しているわけではない。米連邦準備理事会は様子見姿勢を取っている」と述べるなどしている。
米国債の利回り急騰もあり、市場参加者はFRBによる利上げ終了の有無を見極めようとしており、週明けは米消費者物価指数や米卸売物価指数に注目が集まっている。
(米ナスダック推移 1Day)
(Nasdaq.comより)
10月2週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
10月9日(月)
米国 コロンブス・デーのため休場
10月10日(火)
23:00 米国 8月卸売売上高(前月比)
10月11日(水)
21:30 米国 9月卸売物価指数(PPI)(前月比)
21:30 米国 9月卸売物価指数(PPI)(前年同月比)
21:30 米国 9月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前月比)
21:30 米国 9月卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
27:00 米国 連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
10月12日(木)
15:00 英国 8月月次国内総生産(GDP)(前月比)
20:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
21:30 米国 9月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 米国 前週分失業保険継続受給者数
21:30 米国 9月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
21:30 米国 9月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
21:30 米国 9月消費者物価指数(CPI)(前月比)
日米市場
米国雇用統計の好調な数字を受け、日本市場は反転上昇となる可能性がある。
雇用統計直後は米国市場でのFRBによる利上げ終了に対しての思惑などからCMEベースで値を下げる展開となっているが、米国市場がザラ場後半にかけて大きく値を戻したことなどから、日本市場も反転へと舵取りを行う可能性がありそうだ。
米国雇用統計をサプライズともいえる形で終えた米国市場が、米消費者物価指数をどの様に迎えるのか、日本市場もその結果を迎えるまでは底堅い展開となりそうだ。
(米雇用統計)
(U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICSより)
欧州市場
欧州市場は値を上げて週を終えたものの、週間では下落での推移となり、3週間連続の下落となっている。
米国雇用統計の結果を受けた投資家は、金利が上昇することに対してのネガティブマインドが強い事、後ろ向きな考えが多く、経済の先行きに対して不安視をしている投資家が多い事が市場の重石となっていると思われる。
英国も同様に週間ベースで1.4%の下落となっており、米国雇用統計の好調な数字が株式市場を圧迫する形となりそうだ。
(STOXX欧州600推移)
(Reuterより)
今週の為替(GBP/USD)
GBP/USD 4時間足(一目・5MA・20MA・100MA)
GBP/USD4時間足は2通りのパターンが考えられる形となっているが、どちらのパターンであっても上昇に転じる可能性の強い形となっている。
推進波1-5波(青文字)からの調整波a-c波として捉えた場合には1-5波で形成されるであろう推進波での推移となり、上昇が強くなる可能性がある。
調整波a-c波(白文字)からの推進波1-5波とて捉える場合には調整波a-c波での推移であり、上昇の勢いは聊か弱いものとなる。
どちらにせよ上昇の可能性の強い形である事から、基本は買い目線で考えたい所となっている。