石田 和哉
20日の米国市場は中東を巡る懸念で大きく値を下げる展開となった。
追加の利上げに対する懸念、イスラエルとハマス間での紛争拡大が市場で懸念材料となった事もあり、週間でも大きく値を下げる展開となっている。
週間でダウ平均は1.6%、S&Pは2.4%、ナスダックは3.2%の下落となっている。
アラン・B・ランクス・アンド・アソシエイツのアラン・ランクス社長は「地政学的な要因に加え、週末ということもあり、投資家は慎重になる」と述べた。
パウエル議長は、FRBは一段の利上げの必要性を巡る検証を「慎重に進めている」と表明し、一方で「成長が持続的にトレンドを上回っていること、または労働市場の引き締まりが緩和されていないことを示す新たな証拠が出てくれば、インフレを巡る進展がリスクにさらされ、金融政策の一段の引き締めが正当化される可能性がある」と述べるなどしている。
米国市場は中東問題、利上げの問題や急騰する国債の金利など様々な影響を受けており暫くは波乱の展開となりそうだ。
(米コロンビア大学で、パレスチナ人を支援する抗議行動に参加する学生)
(Reutersより)
10月4週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
10月25日(水)
23:00 米国 9月新築住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 米国 9月新築住宅販売件数(前月比)
10月26日(木)
21:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 米国 7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)(前期比年率)
21:45 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
10月27日(金)
21:30 米国 9月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比)
21:30 米国 9月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
21:30 米国 9月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
日米市場
日本市場は2回目の底入れの可能性がある。
日本市場は決算発表時期に入ることから、個別銘柄物色の展開になると思われるが、米国市場が不安定な流れ、中近東の紛争拡大や米国国債の急騰、FRBによる利上げなど様々な問題が懸念材料として存在する事から、不安定な流れとなりそうだ。
ロシアウクライナ問題もあり、日本市場にとっては他力本願、米国の顔色をうかがうことが続きそうだ。
米国市場は前述したとおり、近東の紛争拡大や米国国債の急騰、FRBによる利上げなど、様々な問題が懸念材料として意識されることになる。より大きな問題へ発展する可能性もある事から紛争の行方、着地点、解決の道筋に注目が集まりそうだ。
(米ダウ推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場も先週に引き続き、米国市場動向、中東情勢の悪化懸念などが市場の重石となっている。
投資家がリスク回避の姿勢を強めた事が強く影響を与えており、STOXX欧州600指数は週間で3.44%の下落、7か月ぶりの下げ幅となっている。
パウエルFRB議長の講演後に米10年債利回りが一時5%を超えた事も影響を与えており、マネーファームの最高投資責任者のリチャード・フラックス氏は「コモディティー価格の上昇とそのインフレへの影響を巡り、現時点では地政学が投資家心理を動かしている」との見方を示すなどしている。
日本市場と同様に米国市場展開に右往左往する形となりそうだ。
(STOXX欧州600推移)
(qontigo.com)
今週の為替(GBP/USD)
GBP/USD 4時間足(一目・20MA・60MA )
GBP/USD 4時間足上では大きな下降トレンドが終わり、調整波のa-c波が形成されたあとの次の推進波1波の形成と中途なっている。
トレンドがどの方向で発生するのかは不透明となっており、1波が大きく上抜けて来るのか、下抜けて来るのか?は今後の展開次第なっている。
上昇、上抜きでの抜けの場合、直近の下降トレンドの値幅からある程度の戻りは期待できそうだ。
下降の場合には米国市場動向、国債利回りやFRBによる利上げの続報など次第と言った所になりそうだ。