石田 和哉
3日の米国市場はFRBが1日のFOMCで金利の据え置きを決めた事が市場で好感された事で大きく値を伸ばす展開となった。
ダウ平均は0.66%、NASDAQ総合は1.38%、S&P500は0.94%の上昇となっており、週間ではダウ平均が5.1%、NASDAQ総合6.6%、S&P500が5.9%の上昇とそれぞれが大幅高となっている。
バーンスタイン・プライベート・ウェルス・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、マット・パラッツォーロ氏は「政策の観点からすれば、これはFRBが当面金利を据え置き、今後成長やインフレが加速する場合にのみ実際に利上げを再開するという確信を与える」と指摘。一方で、自身は雇用の伸びと経済活動の今後6-9カ月間の着実な減速を予想しており、そうなれば「FRBは現行水準で金利を据え置くことが可能になる」と述べている。
また、3日に発表された雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比15万人増と市場予想の18万人増より減速する形となっているが、実体経済の原則・経済成長の鈍化に対しては市場の反応は今一つとなっている。
(ダウ平均推移 )
(Reutersより)
11月2週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
11月6日(月)
08:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
11月9日(木)
28:00 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
11 月10日(金)
16:00 英国 7-9月期四半期国内総生産(GDP、速報値)(前期比)
16:00 英国 7-9月期四半期国内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
16:00 英国 9月月次国内総生産(GDP)(前月比)
日米市場
日本市場はしっかりとした展開となりそうだ。
米国市場が各指標共に週間で5%近い上昇となっており、10月の雇用統計も通過した事から米国市場動向を受けての上昇となりそうだ。
日本市場では1週間で1490社が決算を発表する事もあり、日本市場は底堅い個別銘柄の物色相場となりそうだ。
投資家心理も改善しつつあり、日経平均は33,000円の大台も視野に入れた展開となる可能性もある。
(日経225推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場では米FRBによる金利の据え置きが決まった事などもあり、金融の引き締めが終了するのでは?という観測が強まった事で市場は値を上げる展開となった。
STOXX欧州600は週間で3.4%の上昇となり、英国FTSE100は1.73%、FTSE250では6.63%の上昇と欧州、英国市場共に値を上げる展開となっている。
実体経済に鈍化の兆しが見られ、ウクライナ情勢や中東紛争と外的な要因、内的な要因の両方に問題を抱えているものの、まずは目先での続伸、上昇となっている。
中東紛争の進展、周辺国を巻き込んでの混沌とした情勢となるのか?何かしらの決着への道筋がみえるのか?にも注目したいところとなっている。
(STOXX欧州600推移)
(Reutersより)
今週の為替(EUR/USD)
EUR/USD 4時間足(一目・5MA・20MA・100MA )
EUR/USD 4時間足では7月18日から10月3日までの下降トレンドからの戻り、上昇へ転じた部分となっている。
下降トレンドの推進波1-5波、調整波a-c波も終わり、上昇での推進波の形成となっている。
ここからの上昇となった場合には1.08700付近までの戻り、上昇は発生する可能性があることから推進波での高値形成からの高値抜けをしっかり判断して行きたいところだ。
株式市場も値を戻している事、上昇となっている事からここからの戻りには期待できるのではないのだろうか。