石田 和哉
8日の米国市場は11月の米国雇用統計が好調な数字となった事から好調な展開となった。
発表された米国雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万9千人増と市場予想の18万人を上回り、失業率も3.7%に低下した事からFRBが来年の利下げ時期を変えるのでは?との憶測が台頭する形となった。
スタンダード・チャータード・バンクのグローバルG10外為調査部門責任者、スティーブン・イングランダー氏は「FRBを様子見姿勢から脱却させるようなデータは今のところは出ていない」と述べた。
アンバーウェーブ・パートナーズの共同設立者スティーブン・ミラン氏は「米金利市場はFRBに対して短期的にハト派的になりすぎている」と指摘。11月に入ってから金融情勢が大幅に緩和していることを踏まえると、FRBは基本的に利下げを急ぐ必要がないとの見方を示した。
(ダウ平均推移、ナスダック平均推移 )
(Reutersより)
12月2週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
12月12日(火)
22:30 米国 11月消費者物価指数(CPI)(前月比)
22:30 米国 11月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
22:30 米国 11月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
22:30 米国 11月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
12月13日(水)
28:00 米国米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
28:30 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
12月14日(木)
21:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:00 英国 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
22:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:30 米国 11月小売売上高(前月比)
22:30 米国 11月小売売上高(除自動車)(前月比)
22:45 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
日米市場
日本市場は米国市場が好調に推移している中でどの様な展開となるのか注目となっている。
米国雇用統計を受けた米国市場が好調に推移していることから、米国と異なり値を下げる展開となった日本市場がどこまで値を上げることができるのかに注目となっている。
日経平均34,000円を超えることができるのか?米国市場では連日最高値を更新し続けている事からも日本市場の動きにも期待したい所だ。
米国市場では週末にかけてFRB議長発言、小売売上など重要経済指標もある事から、米国市場動向を横目に一喜一憂する展開が続きそうだ。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場は欧州、英国市場共に堅調な展開となっている。
サウジアラビアとロシアが7日に石油輸出国機構加盟国と非加盟国で構成する「OPECプラス」の加盟各国に対し、減産合意に協力するよう呼びかけたことを受け原油価格が上昇した。
これを受ける形でエネルギー系株が買われ市場を支える形となったようだ。
欧州市場は主要中央銀行の今回の利上げが終了し、来年早期には利下げが始まるとの見方が強くなり、そちらも市場の底を支える形となっている。
ECB総裁記者会見や英国金利発表など注意したい所だ。
(NYMEX原油推移)
(Reutersより)
今週の為替(USD/CHF)
USD/CHF4時間足(一目・5MA・20MA・100MA )
今回は少し志向を変えて相場を見てみる。
相場は基本的にダウ理論、高値と安値を切り上げ・下げする動きを繰り返してチャートを形成していると考えているのだが、4時間足で長期間でのダウ理論から見た場合には図のようになる。
青い下降時期
赤い上昇時期
を繰り返して形成されている事から、現在の上昇トレンドへの転換は一過性の可能性となる可能性がある。
エリオット波動から見た場合でもa-cの調整波の形成が赤い上昇部分となっており、戻りが出る場合には赤い範囲を抜けてくる、推進波1-5波での上昇が発生することになる。
抜けることが出来なければ青い下降に転化する。
大きな目で見れば上記の考え方を入れてもよいのではないのだろうか。