石田 和哉
2日の米国市場は好調な雇用統計、企業決算を受け、S&P500は再び史上最高値を更新するなど値を上げる展開となった。
好調な数字、米労働省が発表した1月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比35万3000人増と市場予想の18万人を大きく上回り、賃金も約2年ぶりの上昇率を記録するなどしたことで利下げ観測が後退、上値が重くなるかと思われたものの、経済指標と企業決算が投資家心理の下支えとなり市場は値を上げる展開となった。
インフラキャップのポートフォリオマネジャー、ジェイ・ハットフィールド氏は「今週はほとんどの企業が好決算を発表した。連邦公開市場委員会(FOMC)は5-6月の利下げ期待を適切に抱かせるなど強気だった」と述べるなどしている。
(S&P500 推移)
(Reutersより)
2月1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
2月5日(月)
09:00 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
24:00 米国1月ISM非製造業景況指数(総合)
日米市場
日本市場は再び高値を伺う展開となっている。
週の半ばに値を崩し、上値の重いながらも底値も確りという展開となった日本市場は好調な米国市場動向を受け、再度の高値更新を伺う形となるだろう。
すぐさま最高値を更新となるほど、勢いはないことから上値はある程度重くなると思われるが、それ以上に底値も堅い展開、レンジに近い展開となるのではないのだろうか。
米国市場は週初にFRB議長発言、ISM非製造業景況指数発表があるが落ち着いた流れになるのではないかと思われる。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場はほぼ横ばいに、英国市場は値を下げる展開となった。
米国で発表された好調な雇用統計を受け、早期の利下げ期待が後退したことで上値を抑えられる形となっている。
好調な企業決算を受け、買いも入ったものの、利下げ懸念が強く市場は動きのない展開で終始している。
ラザードのチーフ市場ストラテジスト、ロナルド・テンプル氏は「1月の(米非農業部門)雇用者数が前月比で35万3000人増え、時間当たり平均賃金が大きく伸びた。このためFRBは利下げ開始前にもっと多くのデータを待つことになるだろう」と述べている。
英国市場は欧州市場と同様の展開となったが、米ドル・長期金利が上昇したことでコモディティー関連が売られ値を下げる形となっている。も欧州市場の上昇、企業の好決算を受けて値を上げる展開となっている。
(英FTSE 推移)
(Reutersより)
今週の為替(EUR/GBP)
EUR/GBPの4時間足を見ていきたい。
EUR/GBP4時間足では下降トレンドでの推進波の後、調整波の形成となっている。
戻りの調整波の初動となっており、初動からの再度の推進波で0.86150までの上昇の可能性は見て取れる。
週足で見ても下値支持線での反転、0.8500で意識されており、週足でも一過性の戻りが可能性として見て取れており、戻りの発生に期待したい所だ。