石田 和哉
16日の米国市場は予想を上回る米卸売物価指数を受け、早期の利下げ期待が後退、市場は小幅に値を下げる展開となった。
1月の卸売物価異数は前月比0.3%の上昇となり、市場予想の0.1%を上回ったこと、2023年8月以来の数字となった事が、利下げ期待の観測につながったようだ。
CIBCキャピタル・マーケッツ(トロント)の北米外為戦略責任者、ビパン・ライ氏は「外為市場は、米経済の実質的な活動に関して、まだ若干の疑問符が残っているという事実に注目する傾向がある」と指摘。ドルの上げ幅縮小は「やや奇妙な反応」とし、米国の3連休を控えたポジション調整だった可能性があると述べている。
ただし、15日に発表された1月小売売上高は前月比0.8%減となっており、個人消費の勢いが失速している兆候を示すなどしており、判断の分かれる部分となっている。
(S&P500 推移)
(Reutersより)
2月3週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
2月21日(水)
28:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
2月22日(木)
19:00 ユーロ 1月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
19:00 ユーロ 1月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
21:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
2月23日(金)
16:00 ドイツ 10-12月期国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
16:00 ドイツ 10-12月期国内総生産(GDP、改定値)(前年同期比)
16:00 ドイツ 10-12月期国内総生産(GDP、改定値、季調前)(前年同期比)
日米市場
史上最高値をどこまで更新できるのか?
日本市場はバブルを超える勢いとなっている。
1990年1月以来、実に34年ぶりとなる高値であり、過熱感のリスク、買いに入るべきという投資家心理が複雑に絡み合いながら上昇傾向が続くと思われる。
日経平均の上昇の速度は今までにないほどの速度ではあるが、どこまでこの祭りが続くのか押し目買いの選択肢も入れつつ確りと流れには乗っていきたいところとなっている。
米国市場はワシントンデーにより月曜が祝日で大きいな経済指標もないことから先週の流れを受けそうなところである。尚、市場をけん引している半導体大手エヌビディアの21日の決算発表が最大の注目材料となりそうだ。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場は好決算、ECBによる早期利下げ観測などが投資家心理を改善させ好調な展開となった。
STOXX欧州600は実に2年ぶりの高値を付け、ドイツのDAX・フランスのCAC40 も過去最高値を付けるなど、日米だけでなく、世界的に市場は好調、上昇となっている。
エクイティ・キャピタルのチーフ・マクロ・エコノミスト、スチュアート・コール氏は「一つは1カ月の数字に過ぎず、これまでの小売売上高の低迷を考えると、消費が本当に回復していることを示すさらなる証拠が必要になるだろう」と指摘。「二つ目は今週発表された英国内総生産は非常に悪く、現時点で市場が最重要視する材料になっている」と述べるなどした。
英国市場も同様に好調な展開となっており、どこまでこの熱が続くのか、米国市場動向に世界の注目が集まっている。
(英FTSE 推移)
(Reutersより)
今週の為替(NZD/USD)
NZD/USDの日足上では一目均衡表の雲をした抜け、MAでの上値を抑えられる形となっており、ここからの下降の可能性を見て取ることが出来る。
下降に転じた場合には0.59800付近までの下降の可能性と、勢いはそれほどつかない可能性のある部分ではある。
逆に上昇となった場合には一目均衡表の雲を抜け、MAを意識した後に0.63700付近までの上昇となる可能性がありそうだ。
上下どちらに抜けても、大きく値を取れる事は難しい部分ではあるが、3か月ぶりのチャンスであることからしっかりと判断をして利益を上げていきたいところとなっている。