石田 和哉
23日の米国市場はAI関連銘柄への強い関心が続いたこと、買いが継続となったことから、S&P500、ダウ平均は上昇、最高値を更新する展開となった。
週間ベースでは主要3指数が揃って上昇となっており、ハイテク大手が市場を牽引し続けている状況が改めて浮き彫りになった形だ。
アメリプライズのチーフ・マーケット・ストラテジスト、アンソニー・サグリンベン氏は「エヌビディアはナスダック総合とS&P総合500種の上昇に寄与している重要企業の1つ」と指摘。連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後ずれしていることに関連する懸念が出ているものの、「エヌビディアを中心とするハイテク大手に極めて強い集中」が見られているため、こうした懸念は看過されているとの見方を示すなどした。
一部の企業が市場を牽引し続けている状況に懸念を投げかける声も強くなっている中での連日の最高値更新であり、どこまでこの勢いが続くのか、AIバブルの流れに注目となっている。
(史上最高値の39,000ドル台に突入した米ダウ 推移)
(Reutersより)
2月最終週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
2月26日(月)
24:00 米国 1月新築住宅販売件数(年率換算件数)
24:00 米国 1月新築住宅販売件数(前月比)
2月27日(火)
08:30 日本 1月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
08:30 日本 1月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
08:30 日本 1月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月
2月29日(木)
22:30 米国 1月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比)
22:30 米国 1月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
22:30 米国 1月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
3月1日(金)
19:00 ユーロ 2月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比)
19:00 ユーロ 2月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比)
24:00 米国 2月ISM製造業景況指数
日米市場
日本市場はバブル崩壊後の最高値を更新、34年ぶりの最高値更新となっている。
勢いはすさまじく、わずか1か月と少しの間に35,000台から39,000台にまで駆け上がった。
バブルを経験している者には勢いがありすぎ、何時どこで売りが出るのかという、手の出し辛い相場となっており、バブルや日経平均7,000円台を経験していない者には勢いのある相場、手を出しやすい相場となっている。
年齢・相場歴で明暗の分かれそうな展開となっている日経平均だが、米国発のAIバブルの恩恵を受ける形で推移しており、東京エレクトロンをはじめとしたAI銘柄に買いが集中、一部の銘柄が市場をけん引し続ける展開が続いている。
どこまで上げるのか?それを考えない方がいいのか?判断が非常に難しい状況である。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場は続伸となっている。
英大手銀行のスタンダード・チャータードが好決算となったことで市場を押し上げ、欧州市場、英国市場共に値を上げる形となっている。
ハーグリーブス・ランズダウンの株式アナリスト、マット・ブリッツマン氏は投資家向けメモで「スタンダード・チャータードの決算は、多くの同業他社と同様に減損が減ったことがプラスとなった」と指摘するなど、欧州・英国市場でも市場の続伸、上昇の流れは続いている。
(STOXX 推移)
(Reutersより)
今週の為替(USD/JPY)
USD/JPY4時間足を解説したい
USD/JPY4時間足では、2023年12月からの上昇トレンドで付けた安値高値からの戻り(大トレンド)、61.8%、50%、38.2%、23.6%が意識される事になるが、前述の上昇トレンドが一旦レンジ相場となった2024年1月31日からの上昇トレンド(小トレンド)での戻り、61.8%、50%、38.2%も意識されると思われる。
下降トレンドとなった場合にはそれらの価格帯を常に意識する形となる。
大トレンドと小トレンドの意識される価格は一部で重複しており、重複された価格が特に強く意識されることになる。
大トレンドの23.6%と小トレンドの100%(全値戻し)が特に意識されることになると思われ、その価格でレンジとなるのかどうか、抜けた後に勢いを保つことが出来るのかどうか?に注目していきたいところだ。