石田 和哉
8日の米国市場はザラ場中に最高値を更新したものの、半導体関連株が売りに転じた事で値を下げる展開となった。
8日に発表された米国雇用統計は非農業部門雇用者数が27.5万人増と市場予想の20万人増を上回ったものの、2月の雇用増加数が下方修正したこと、失業率が2年ぶりの高水準となった事を受け、労働市場が減速しつつあると認識されたことも売り意識の強い市場を作り出す要因の1つとなっている。
エクイティ・キャピタルのチーフエコノミスト、スチュアート・コール氏は「最近のインフレ統計を受け、FRBが早期に利下げに踏み切れないのではないかと市場はやや懸念していた」と指摘。ただ、今日の雇用統計は「緩和規模が年初に見込まれていたほど大幅ではないとしても、FRBが年内に利下げを実施するのに適切な方向に進んでいるという楽観的な見方を与える」とし、「少なくとも短期的にはドルは軟調に推移する」と述べるなどした。
(米ダウ推移)
(Reutersより)
3月2週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
3月11日(月)
08:50 日本 10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
08:50 日本 10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(年率換算)
3月12日(火)
21:30 米国 2月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 米国 2月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 米国 2月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
21:30 米国 2月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
3月14日(木)
21:30 米国 2月小売売上高(前月比)
21:30 米国 2月小売売上高(除自動車)(前月比)
日本市場
日本市場は一旦の調整入りとなるかどうか?の境に位置している。
日経平均は40,000円を再度割り込む展開となっており、40,000円台を早い段階で戻す展開となるかどうかが今後の流れにも影響を与える形になりそうだ。
少なくとも米国市場が堅調に推移するまでは日本市場も上値の重い展開になると思われるが、あっけなく40,000円に値を戻した場合には再び上昇に転じる事も考えられるだろう。
米国市場は上値を抑えられる展開、一旦の利益確定の売りが出ている中で日本市場も利益確定の売りの出やすい流れとなりそうだ。また、今週発表されるCPIに注目をしたいところであり、来週のFRBに大きく影響を及ぼす可能性がある。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
英国市場は米国の利益確定を受けて下落。欧州市場は横ばいとまちまちな展開となっている。
8日、欧州中央銀行(ECB)の政策立案者の過半数が6月の政策金利の引き下げ開始決定を支持している中で、早期開始を支持する少数派を取り込むために連続して7月も追加利下げをすることを一部メンバーが提案したことが報じられたこととも影響していると思われる。
欧州は景気低迷が続いており利下げがどのようなタイミングで行われるかが焦点となっている。
(FTSE 推移)
(Reutersより)
今週の為替(GBP/JPY) 
GBP/JPY4時間足を解説したい。
GBP/JPY4時間足では推進波1-5波が終わり、調整並みa-cの形成後の再度の推進波の形成となっている。
基本は下降トレンドとみて問題ないと思われるが、推進波1と思われる下げと、現在の上昇とで形成された安値が直近の推進波1-5波で形成されたトレンドの50%であり、更に大きく見た場合の上昇トレンド、画像の左端から右端までで形成された上昇トレンドの23.6%となっている。
下降が継続した場合には50%のラインであり、直近の上昇トレンドの推進波1波の開始価格とも合致することからこのまま下降となった場合にはかなりの利益の見込める下降の流れに乗ることが出来るだろう。