石田 和哉
15日の米国市場は今まで株高をけん引してきた大型ハイテク関連株が利益確定の売りなどで値を下げる展開となったこと、米FOMCを控えての金利見直しへの関心などもあり米国市場は値を下げる形となった。
また、米大手デザインソフトのアドビ社が売上の見通しを発表、アナリストの予想を下回った事から大きく値を下げる展開となっている。
米FOMCだけでなく、18日にはエヌビディアの年次開発者会議もあり、市場の展開を占う上でも投資家の関心は強いものとなっている。
チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メクラー氏は「いずれ金利が引き下げられることは誰もが知っている。利下げがいつになるかという予想は少し先送りされ続けているが、投資家はまだそうなると信じている」と述べるなどした。
(米ダウ推移)
(Reutersより)
3月3週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
3月18日(月)
19:00 ユーロ 2月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
19:00 ユーロ 2月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
3月19日(火)
--:-- 日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
15:30 日本 植田和男日銀総裁、定例記者会見
3月20日(水)
27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
27:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
3月21日(木)
21:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:00 英国 イギリス英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
3月22日(金)
08:30 日本 2月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
08:30 日本 2月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
08:30 日本 2月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比)
日本市場
日本市場38,700円台と3月4日の40,109円から1,400円ほどの調整となっている。
急に値を上げ過ぎた事、3か月の間に実に7,000円もの上昇への調整ともなっている。
短期間での上昇ではなく、中長期での安定した上昇をする為には速やかに40,000円台への復調が必要になると考えられる。
本格的な調整局面となるのかどうかは今後の日経平均の価格次第とも言え、40,000円をどの段階で回復できるのか、ということ次第では調整期間が長引きレンジ相場なる可能性が考えられるので注意をしたい。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場は欧州・英国市場共に値を下げる展開となった。
欧州市場は週間では上昇となったものの、FRBによる利下げ開始が先送りされるのでは?との憶測が台頭、投資家心理の悪化が見られたが、通信株が買われ一息をつく形と。
英国市場は 乳児用ミルクを巡る米国の裁判で89億円賠償金の支払いを命じられたレキットベンキーザが15%、実に1兆円の時価総額が失われ、英国市場にとっての重石となり、値を下げる展開となった。
ハーグリーブス・ランズダウンのマネー&マーケッツのスザンナ・ストリーター氏は「この支払額の規模だけが不安を引き起こしているだけではなく、他にも係争中の訴訟が山積しており、それが同社にとって莫大な額になる可能性がある」と述べるなど、英国経済にも影響を与える問題となりそうだ。
(Reutersより)
今週の為替(EUR/GBP)
EUR/GBP4時間足を解説したい。
EUR/GBP 4時間足では青い四角で囲んだ部分でのレンジ相場となっており、レンジを抜ける部分でのトレードがシナリオとして考えられる。
レンジの下抜け、上抜けの両方の可能性があり、下抜けの場合には勢いのあるトレンドの発生と、上抜けの場合には50%部分までの上昇の可能性が見て取れる。
もみ合いが長引くほど、抜けたときの勢いも発生しやすくなることから、何時でも抜けで乗れるように準備をしたい。
青枠の上下から少し空間・余白を開けて抜けの確認をしっかりと確認してからトレードを行いたいところだ。