石田 和哉
5日の米国市場は米国重要経済指標の米雇用統計が力強い内容、非農業部門雇用者数が前月比30.3万人増と市場予想の20万人を大幅に超える数字となり、失業率も3.8%と先月の3.9%から低下したことを受け、米国経済が堅調に推移している事を示した。
また、FRBによる利下げの時期がずれ込むのでは?との憶測も出た事で市場は値を上げる展開となった。
プラム・ファンズの社長兼ポートフォリオ・マネージャー、トム・プラム氏は、景気後退の兆しは見えず、FRBが利下げを遅らせる可能性が高いという期待が高まったと指摘。「堅調な経済が必ずしもインフレを引き起こすわけではない。雇用統計は単月ではあるものの、景気後退の可能性は低いことを裏付け、これは利下げ時期よりも重要なことだろう」と述べるなどした。
(米ダウ平均推移)
(Reutersより)
4月2週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
4月10日(水)
21:30 米国 3月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30 米国 3月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30 米国 3月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
21:30 米国 3月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
4月11日(木)
21:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:45 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
日米市場
日本市場は週の半ばに米国市場が大幅な下落を見せた事で弱気の展開となり、高値から2,000円近く値を下げる展開となった。
そのまま下落に転じると思われる部分もあったが、週末の米国市場が雇用統計の好調な数字を受けて値を戻したことから日本市場も底堅い展開に転換すると思われる。
地政学的なリスク、中東情勢の悪化によるリスクが急激な高まりを見せていることから、株価の上値は重くなるものの、底から脱出はできるのではないのだろうか。
米国市場については前述の通り、雇用状況が良く景気後退が見え難いことから金利状況に注目されることになりそうだ。来月のFOMCの結果により大きく株価も為替も動く可能性が高そうである。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州・英国市場は中近東情勢が急激に悪化していること、FRB高官らのタカ派的発言などを受けた事で売りが優勢となり、欧州・英国市場共に値を下げる展開となった。
英国では英住宅価格が6か月ぶりに下落するなど売りが優勢となる材料が多く出る形となっている。
AJベルの金融分析責任者、ダニ・ヒューソン氏は「投資家たちは中東で起きていることが良くなる前に悪化する可能性を真剣に考慮しなければならなくなっている。イスラエル首相の発言を踏まえると、より広範囲に影響が及ぶのではないかとの懸念が高まっている」と述べるなどしている。
(英FTSE推移)
(Reutersより)
今週の為替(GBP/JPY)
GBP/JPY4時間足を解説していきたい。
GBP/JPY4時間足は三角持ち合いを暫定的ではあるが、高値圏で形成しており、下降となった場合にはある程度の勢いとして500Pips近くとなる可能性が示唆されている。
逆に上昇となった場合には何処まで行くのか?は不透明ながらも200円という節目としての大台を意識する展開となる可能性がありそうだ。
米国市場が急激に値を戻す形ではあるものの、中近東情勢の緊張激化などのリスクもあり直ぐに上下どちらかへ?とはなりにくい部分でもある。
三角持ち合いからの抜けが何処で起こるのか?期待したいところとなっている。