Nick Goold
多くのトレーダーは、「今日は儲かった!」「今日は損した!」と日々の損益に一喜一憂します。利益を得ることができた日は大らかな気分になり、これからもどんどん稼げるのではないかと夢見心地になります。逆に、損失を出してしまった日はすっかり落ち込んでしまい、ずっと損が続いてしまうのではないか、もう稼げないのではないかと心配するのです。
これは、初心者トレーダーのみならず、それなりに経験を積んでいるトレーダーにもよく見られる傾向です。
しかし、このように短期的な結果に振り回されている状態では、長い目で見るとトレードのパフォーマンスはどんどん悪化していきます。なぜなら、今この瞬間にどうやって儲けるかという目先の利益を追求するあまり、トレードの計画とルールに従わなくなってしまうからです。
トレードのパフォーマンスは短期間でその良し悪しを判断するものではなく、最低でも半年から1年、あるいはそれ以上の長期にわたって判断すべきものです。そうでなければ、トレードで継続的・安定的に利益を上げ続けているかどうかがわかりません。トレードを長く続けていれば必ず良い時期と悪い時期があり、最近たまたま儲かっているだけ、たまたま損が続いているだけということもあるからです。
ですから、目先の損益にフォーカスするのではなく、必ずトレードプロセスを通じてパフォーマンスを測定し、現状を把握することが大切です。
言い換えれば、単に儲かったか否かという視点ではなく、そのトレードは成功したか否かという視点が必要なのです。この場合の「成功」とは、トレードプロセスを実行し且つ計画とルールを遵守してトレードできた、ということです。後者の視点でパフォーマンスを測定していれば、自ずと損益のパフォーマンスも向上していきます。
トレードプロセスを通じてパフォーマンスを測定するときは、損失を出したからといって落ち込むのではなく、計画通りにトレードできたかどうかを確認するようにします。このとき、損益に一喜一憂しない穏やかな気持ちで確認するようにしましょう。そうすることで、もし仮に良くない(計画通りでない)トレードで運良く利益を上げられたことが判明した場合は、そのことを冷静な気持ちで受け入れることができ、今後はトレード計画を守れるようになる可能性が高くなります。
気持ちを整えることができたら、次はトレードプロセスを通じてパフォーマンスを測定するために、トレードプロセスに基づいて策定したトレードの計画とルールをどの程度の割合で遵守できているのかを時間をかけて分析していきます。例えば、過去1ヶ月間に80%の割合でルールを守ることができたとき、他の期間の状況と比較して見ることで、そのトレードルールに従うことが妥当かどうかを確認することができます。
トレードの計画とルールを遵守できた割合を細大漏らさず記録し、その記録と損益状況を比較します。
この作業によって、現在のトレード計画とルールが十分に機能しているか、改善の必要があるのかどうかを発見することができるのです。
改善の必要があると分かったら、トレードプロセスを通じて見直しを行い、トレード計画とルールを修正します。
何を改善すべきかがハッキリするとモチベーションがアップしますし、失敗トレードも減っていくことでしょう。
プロセスを通じたパフォーマンス測定を繰り返していくうちに、徐々に損益が改善していくのを体験してください。
一貫したトレードと結果を得るため最も重要なことにフォーカスすることは、より良い結果を生むに違いありません。