Nick Goold
移動平均線期間をトレード目標に最適に設定することでパフォーマンスを素早く向上させることができます。移動平均線期間の設定には多くの適切な数値があるため、使用する前にそれぞれの数値がどのように作用するのか検証する必要があります。
3種類の移動平均線とその期間
短期移動平均線
パラメーターが「5」から「25」までの数値設定です。5、10、13、21が一般的に多く使用されています。
中期移動平均線
パラメーターが「26」から「75」までの数値設定です。30、50、75が一般的に多く使用されています。
長期移動平均線
パラメーターが「76」から「200」までの数値設定です。100、200が一般的に多く使用されています。
自分のトレードに最適な移動平均線期間を設定するために、このようなステップを踏んでいきましょう。
ステップ1:トレードスタイルを選択する
トレードスタイルには、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードの3種類があります。どのトレードスタイルを選択するかによって適切な移動平均線期間が変わってきます。短期的なトレード戦略であるほどにチャートは短時間足、そして移動平均線の期間は短く設定します。
例えば、スキャルピングでは1分足や5分足のチャートに5から10の移動平均線期間を設定します。デイトレードでは、5分足、15分足、60分足のチャートに10から30の移動平均線期間を設定します。スイングトレードでは、日足や週足チャートに10から200の移動平均線期間を設定します。
通常、一つのトレードスタイルに専念した方が長期的に大きな利益を得られるようになります。どのトレードスタイルを使うか決める前に、先ずデモ口座でそれぞれのスタイルを試し、自分の性格やライフスタイルに適したものを選ぶと良いでしょう。
ステップ2:過去のチャートデータを使用して様々な移動平均線期間を試す
トレードスタイルが決まったらバックテストを行います。バックテストとは、過去のチャートデータを使用して検証を行うことです。今回の場合では、様々な移動平均線期間を試し、どれが最も収益性が高くなるかを検証します。MT4、MT5のようなツールを使えば、多くのチャートデータ分析を素早く行い、最適な移動平均線期間を見つけ出すことが可能となります。バックテストはとても有用なものの、分析結果を信用しすぎないように注意しましょう。過去有益であったパフォーマンスが今後も同様の結果を出すという保証はありません。
ステップ3:デモ口座でテストをする
最適な移動平均線期間を決定したら、次はデモ口座でトレード練習します。デモトレードでは、実際の資金を失うというプレッシャーを感じることなく自分の検証結果の実用性を確認することができます。ここで安定した利益を得られるようになるまでトレード練習を繰り返しましょう。
ステップ4:リアル口座でのトレード
デモ口座で利益が出るようになったら、自信を持ってリアル口座でトレードしてください。デモ口座と同様に利益が上がればポジションサイズを徐々に大きくしていきます。しかし戦略が思惑通りに機能しない場合、ポジションサイズを小さくするか、トレードを止めて戦略を改善します。
移動平均線期間の変更のタイミング
損失が続くと移動平均線期間を変更して調整をしたくなりますが、移動平均線期間を変更する前に、慎重に考え、分析する必要があります。成績不振をインジケーターのせいにするのは簡単ですが、多くの場合、インジケーター以外が起因となっています。移動平均線期間を変更する前に、トレード計画に沿ったトレードを実行できていたかどうかを確認します。実は、計画よりもエントリーが遅くなってしまったことで損切りになったなど、多くの損失はインジケーターよりもむしろ、リスク管理やメンタルコントロールが不十分であったことが原因です。
トレードを分析し、戦略に沿ったトレードが出来ていると判断できてから、移動平均線期間を変更してみるのもいいでしょう。どの期間に設定することが最も収益性が高まるのかを確認するため、直近のマーケットデータで様々な移動平均線期間のパフォーマンスを分析します。
マーケットのトレンドが強い場合、移動平均線期間は短い方がより利益を生みます。もし、移動平均線期間がかなり長く設定されていている場合(例えば30以上)は、移動平均線期間を短く調整します。一方、マーケットのトレンドが弱まっている場合は、移動平均線期間を長くする方が良いでしょう。
しかし、あまり頻繁に移動平均線期間を変更していると、トレードのプロセスが複雑になってしまうので注意が必要です。また、完璧なインジケーターは存在しないため、1つの移動平均線期間に決めた方が賢明です。その移動平均線期間の長所と短所を理解して、長所の面を使用したトレードを継続していきましょう。