Nick Goold
FXのポジションサイジングとは、証拠金、リスク許容度、相場の状況に応じて適切なロット数を決定することです。FX取引で成功するために適切なポジションサイズを決定できるスキルは非常に大切です。適切なポジションサイズを選択できれば、利益を最大化できます。
適切なポジションサイジングは、過剰な取引を避け、口座残高の大部分を失うリスクを軽減し、長期的な資産形成に役立ちます。ただし、ポジションサイズを変更するタイミングには注意が必要です。取引をする前もしくは週末にポジションサイズを検討するようにしましょう。
取引口座に最適なポジションサイズにする4つのステップを紹介します。また、ポジションを増やすタイミングや減らすタイミングについても解説します。
ステップ1：投資資金を決定する
投資資金とは、トレーダーがFX取引に利用する資産を指します。用意した投資資産全てをFX口座に送金する必要はありません。リスクはできるだけ軽減しましょう。
ステップ2：1回あたりのトレードで許容できるリスクを決める
通常、トレーダーは1回の取引で口座残高の1〜2％のリスクを負います。例えば、トレーダーの口座残高が100万円で、1回の取引で口座残高の1％のリスクと決めた場合、その取引では1万円のリスク（＝損切りで失う最大金額）を取ることになります。
ステップ3：ストップロス幅を決定する
ストップロス幅をPipsで決定する場合、トレード戦略に応じて変更します。例えば、デイトレーダーは5Pipsのストップ幅、スイングトレーダーは50Pipsのストップ幅を利用できるかもしれません。
ステップ4：ポジションサイズを決定する
1ロットを1ピップとすると、適切なポジションサイズを計算しやすいでしょう。例えば、1Pipsが10ドルの場合、デイトレーダーは2 ロットのポジション（100ドル / (ストップ幅：5 Pips * 10ドル)）でトレードしできます。一方、スイングトレーダーは0.2 ロットのポジションにします。
ポジションサイズを大きくするタイミング
利益がでれば口座残高が増えるため、より大きなポジションでの取引が可能となります。日中の取引時間中に次々とロット数を変えるのは危険ですが、週末に取引ごとのリスクを見直すのは、より大きな利益を得るために重要です。利用している取引手法で利益が安定的に出ているのであれば、許容リスクを2%にすることを検討してみましょう。リスクを2%にすると、大抵の場合、利益を最大化できます。
当然ですが、ロット数が大きくなると、含み益と含み損の振れ幅も大きくなり、プレッシャー（心理的ストレス）を感じるかもしれません。この場合、トレーニングをして、徐々に慣れていく必要があるでしょう。1つの方法としては、口座残高を見るのではなく、Pips単位の収益に注目することです。
ポジションサイズを大きくして、あまりにもストレスを感じたり、怖くなってしまって当初のトレード計画に従いにくく感じるのであれば、ためらわずにポジションサイズを元に戻しましょう。大きなポジションサイズで取引するときに冷静に判断するのは難しく感じるかもしれませんが、徐々にトレーニングを積んでいけば、やがてストレスも軽減されるでしょう。ポジションサイズを大きくすることは、最終的な利益目標を達成するために必要不可欠です。
取引する銘柄のボラティリティが低下した場合、ストップ幅を小さくできるかもしれません。その場合にも、大きなポジションサイズで取引できます。
ポジションサイズを増やしてはいけないとき
ポジションサイズを大きくする最も悪いタイミングは、損失が出た後です。確かに損失が出た後、ポジションサイズを2倍にすれば、損を早く取り戻せる可能性もあります。短期的には、ポジションサイズを大きくすれば口座残高を減らさずに済みますが、損失を出し続けてしまえば、口座残高の大部分を失ってしまい、いわゆる”退場”となってしまう大きなリスクがあります。損失を出した後は、少し休んで何が原因だったのかを分析し、同じポジションサイズかそれより小さいサイズでトレードを再開するのがベストです。
ポジションサイズを小さくするタイミング
損失を最小限に抑えることは、トレーダーが習得しなければならない重要なスキルです。1回あたりの許容リスクの割合を口座残高から算出する方法であれば、損を出して口座残高が減ると自然にポジションサイズも小さくなります。しかし、この方法では、対処が遅れる可能性があります。おすすめなのは、自信が持てなくなったとき、不安に感じた時点で1トレードあたりのリスクを0.5％以下に設定して、それ以上の損失を防ぐことです。同時に取引戦略を見直し、改善点がないか探しましょう。何回かトライして安定してきたら、ポジションサイズを大きくできます。
通貨ペア・銘柄のボラティリティが上昇すれば、それに応じてストップ幅も大きくなります。ストップ幅が増加したら、1回あたりのリスクを変動させないため、ポジションサイズを調整します。
ポジションサイズを減らさない場合
利用しているトレード戦略がうまく機能しているのであれば、積極的に利益を狙っていきましょう。トレーダーの中には、次のトレードでは運が尽きてしまうのではないかと怖がって慎重になりすぎている人もいます。しかし、トレードに”運”は関係ありません。現在のマーケットで安定的な利益が出ているのであれば、ポジションサイズを小さくするのではなく、大きくしてください。
多くのトレーダーは手法や相場分析を重視しがちで、ポジションサイジングについては、軽視しがちです。しかし、適切なポジションサイズを決定することは、トレーダーとして長期的に成功するために必要不可欠です。
