Nick Goold
FXトレーダーには、レンジ取引とトレンド取引という2つの主要な戦略があります。多くのトレーダーは、どちらか一方のアプローチを好み、レンジ取引・トレンド取引の得意な方を主に活用しているでしょう。もちろん、両方の戦略をうまく使い分けられれば理想的ですが、利益を上げるトレーダーになるために必要なことではありません。
まず、この2つの戦略を定義しましょう。レンジ取引は、一定の価格幅の中で推移しているときに、高く売り・安く買うという取引方法です。一方、トレンドフォローは、FX市場全体のトレンドの方向を見極めてトレンド方向にポジションを建てます。高く買って、より高く売る、あるいは低く売ってより低い価格で買い戻すというものです。
次に、各戦略のメリットとデメリットを比較してみましょう。
レンジ取引のメリット
- レンジ取引のメリットは、レンジ上限・下限が明確であるため、エントリーポイントとエグジットポイントがわかりやすいことです。また、相場のほとんどはレンジ相場です。そのため、トレンドフォローよりも勝率が高いことも特徴でしょう。ボラティリティが高いと相場のトレンドを見極めるのは難しい場合があります。
- リスク管理ルールは、ターゲットとストップロスのレベルが明確になるため設定が容易でしょう。例えば、レンジ相場で買いポジションを保有する場合、レンジ下限付近で買い、直近のレジスタンスラインで利益確定、レンジ下限から一定の幅でストップロス注文を出します。
レンジ取引のデメリット
- レンジ取引の弱点は狙える利益が限定されることです。また、レンジを突破し、トレンドが発生してしまうと、あっという間に含み損になってしまう可能性があります。レンジ相場が終わる兆候がないか、常に確認が必要です。特にFX市場は一方向へ急激に動くことがあります。
- エントリーポイントを見つけるためにチャート分析をして待つ必要があり、時間が掛かります。また、一方向へトレンドが発生している相場には、レンジ戦略は適しません。
トレンドフォローのメリット
- トレンドフォローは、FX市場の大きなトレンド方向にポジションを建てるため、レンジ取引よりも大きな利益を狙えます。また、マーケットを常時見張る必要はありません。トレンドが発生し続けていればポジションを保有し続けられるため、時間は掛かりません。
- さらに、リスクリワードが良いことも特徴です。トレンドフォローの場合、リスクリワードは1よりも大きい、つまり、平均損失額より平均利益が大きいため、高い勝率は必要ありません。価格が一方向に大きく動いている相場に適しています。
トレンドフォローのデメリット
- トレンドは急に反転する場合があります。そのため、トレンドフォローをするトレーダーは大きな損失となる可能性があります。トレンドの開始や終了を特定するのは非常に難しく、どこでエントリー・決済するのかが分からないというデメリットもあるでしょう。
- FX市場はレンジ相場が多いため、トレンドフォローするチャンスは限定されています。勝率が低く、何度も連敗を重ねてしまうと、トレード計画に従いにくくなってしまうでしょう。
成績が思うように伸びない場合の対処法
トレード成績を分析するとき、トレンドフォローとレンジトレードのどちらが利益が出ているかを計算します。多くのトレーダーは、どちらかに分類されるはずです。この場合、2つの選択肢があります。1つのトレードスタイルを極めるもしくは弱点となっているトレードスタイルのスキルを向上させることです。初心者トレーダーは自分の得意なトレード方法を極めることに重点を置き、自信をつけることが大切です。一方、経験豊富なトレーダーは弱点となっているトレードスタイルを分析して、克服できるようにスキルを向上させることが必要です。
自分に最適なトレードスタイルを見つける方法
自分の性格を分析すると、どのトレードスタイルが自分に適しているかが分かります。例えば、我慢強いトレーダー、焦らずゆっくりトレードしたいトレーダーはトレンドフォローが向いているかもしれません。一方、レンジトレーダーは頻繁に取引したいトレーダーやポジションを長く保有したくないトレーダーに適しているでしょう。
どちらのトレードスタイルを選択するかは、トレーダー個人の好みやマーケットの状況によって異なります。マーケットの状況次第では、2つの戦略を使い分けることを好むトレーダーもいます。