Nick Goold
RSI(正式名称:Relative Strength Index)はテクニカル分析ツールの一つで、設定期間における銘柄の値動きの強さを測定するものです。RSIは0〜100の範囲で表示され、50以上であれば上昇基調、50未満であれば下落基調と考えます。
70以上では買われすぎ、30未満であれば売られすぎと判断するなどマーケットの過熱感を測る使い方が一般に知られています。RSIが70以上であればマーケットの価格が割高になっている可能性があり、反落に注意が必要です。逆にRSIが30を下回ると割安感が強くなり、価格が上昇に転じる可能性を考えることができます。
他のテクニカル指標と同様に、RSIにもメリット・デメリットがあります。そのため、特徴をよく理解し、ダマシの可能性も考えて、他の指標と併用して利用する必要があります。この記事では、RSIの主なメリット・デメリットについて解説します。
RSIのメリット
明確な売買シグナル
RSIは、ほぼ全てのプラットフォームで利用可能なテクニカル指標で、サブチャートで表示されます。RSIの数値や動きを分析すれば、現在の相場の動きがどうなっているのかを分析できます。
利用方法はシンプル
RSIは理解しやすく使いやすいシンプルなインジケーターなので、初心者から経験のあるトレーダーまで誰でも利用できます。
他のインジケーターとの相性も抜群
RSIは他のインジケータと併用して活用すると、より正確なエントリーポイント・決済ポイントを提供します。他のテクニカル指標のシグナルのダマシを見抜いたり、他の指標のシグナル+RSIのシグナルを根拠とすることで勝率を上げることができるでしょう。
例えば、RSIの数値が30を下回り、長期移動平均線のサポートラインの近くにある場合、絶好の買いチャンスとなる可能性があります。
RSIのデメリット
ダマシのシグナルに注意
RSIは、特に流動性の低い市場や、突発的なニュースによって急激な値動きをした場合、誤ったシグナルを出す可能性があります。したがって、トレンドに逆らった「逆張り」トレードをする場合は、市場がなぜ動いているのか、価格に影響を与える最新のニュースを把握する必要があります。
価格の動きに遅れて変動する
RSIは価格の遅行指標です。そのため、値動きの激しい相場や銘柄であれば、トレードチャンスを逃してしまったり、無理にトレードすると損失を出してしまったりする可能性があります。RSIは、単独で利用するのでなく、ボリンジャーバンドなど他の指標と併用して活用するのに適しています。こうすれば、トレーダーは早くエントリーシグナルを見つけることができるでしょう。
トレードチャンスが少ない
移動平均線などの他の指標と比較すると、RSI指標を使用する場合、取引チャンスは少なめです。そのため、エントリーまで待つ時間が長くなるため、1つの銘柄だけでなく、同時に別の銘柄も監視する必要があるでしょう。
損失を確定するのが難しい
RSIは買われすぎ、売られすぎの状態が長く続く場合もあります。トレンドと逆方向にポジションを保有している場合、決済シグナルが発生しないまま大きな損失につながることがあります。例えば、強い上昇トレンドの場合、RSIは70を超えたまま上昇し、含み損がどんどん増加してしまう相場も起こりえます。したがって、トレンド相場で損失を最小限に抑えるためには、常にストップロスを使用することが重要です。
エントリーシグナルがなく長期的な取引ができないため、RSIは、デイトレーダーよりもスイングトレーダーの人に適しています。スイングトレーダーは、ストップロスやターゲットが大きいため、デイトレーダーほどエントリータイミングを気にする必要がありません。
RSIインジケータは、売買シグナルを特定したいトレーダーや投資家にとって有用です。トレーダーや投資家は、総合的な取引戦略の一環としてRSIインジケータを使用してみましょう。また、トレードするときには、マーケット動向、経済データ、ファンダメンタルズを考慮する必要があります。しかし、他のテクニカル分析ツールと同様に、RSI指標にも限界があり、情報に基づいた取引判断を行うためには、他の指標や分析方法と併用して使用する必要があります。