Nick Goold
アジア時間（東京市場）は、欧米市場と比較すると流動性もボラティリティも低く、FX取引がしにくく感じるかもしれません。アジア時間に取引するのに最適なFX通貨ペアは、スプレッドが低くボラティリティも比較的高いドル円（USDJPY）と豪ドル円（AUDJPY）です。ポンド円（GBPJPY）とユーロ円（EURJPY）も時折ボラティリティが高くなることもありますが、頻度は少ないです。
アジア時間帯に重要なニュースが発表されることは少ないですが、経済指標の予定に注意し、ポジションに影響を与える可能性のあるニュースの発表が予定されている場合は、特に注意が必要です。最近の最も重要なニュースは、日本とオーストラリアの中央銀行による金融政策の発表です。経済指標の発表については、世界第2位の経済大国である中国のデータが最も重要です。
以下は、アジア時間のFX取引で使用できる取引戦略です。
アジア時間（東京市場）の取引戦略
東京オープンのトレンドフォロー
東京時間の午前9時から午前10時の間はドル円やその他の通貨ペアが最も変動しやすい時間帯です。短期トレーダーは、東京株式市場が開場する最初の15分間にトレンドフォローし、それが午前10時またはそれ以上まで続くことがあります。
夜間の動きを分析する
アジア時間に取引するトレーダーの見方は、欧米市場のトレーダーと異なる相場の方向性を持っている可能性もあります。したがって、アジア時間が終わった後の動きが、翌日のアジア市場のオープン直後の動きにどのように影響するかを分析すると、優位性の高い取引戦略を見つけることができます。
例えば、アジアに拠点を置くトレーダーはドル円の上昇を期待するかもしれません。当日のドル円の終値が前日のアジア時間終了直後の終値より低い場合、アジア時間中にドル円が上昇する可能性が高くなります。
東京株式市場前場終わりの反転の動き
ドル円が午前中に大きく動いた場合、日本の株式市場の前場が閉場している12:00から12:30の間に反転するリスクがあります。反転の動きは、一部のトレーダーが午前中の取引で利益を得て、リスクを減らすためです。
この戦略は勝率が高いこともありますが、この時間帯のボラティリティが低いため、1回の取引で大きな利益を上げることは困難です。通常の取引で5～10pips以上の利益を出すのは容易ではないので、ストップロスを5pips以下にするとよいでしょう。
東京株式市場閉場直後の動きを狙う
ランチタイムの反転パターンと同様に、ドル円は15時頃の日本株市場が終わるとその日の動きを反転させることがあります。この動きは、利益確定や欧州や英国に拠点を置くトレーダーが、市場が開く前、早い段階でポジションを保有するために起こります。
東京の午前中のストップハンティング
アジア市場の流動性は低いため、大口トレーダーは抵抗線上や支持線下の押し目買いを通じてストップを発動させようとします。ストップハンティング（ストップ狩り）は、ボラティリティが低い東京の午前9時以前や、FX市場の取引がある祝日に実行される場合があります。
ストップハンティング戦略のトレード方法は2つあります。
ストップ注文が多く置かれている価格帯を探す
この戦略は、大勢のトレーダーのストップロス注文が発動されることを期待して、抵抗線の前で買ったり、支持線の前で売ったりするもので、その結果、トレンドが素早く動くことになります。重要な支持線または抵抗線は、大きな動きにつながる可能性が高くなります。多くのトレーダーが損切り水準を設定する価格帯は、1日前の高値の少し上または1日前の安値の下です。
反転のフォローストップを探す
ほとんどの場合、ある程度ストップハンティングが実行された後、価格は反転する可能性が高く。この戦略は高い勝率です。そのため、トレーダーは高い規律を持ち、損失を追わないようにします。
スイング・トレーダー
スイングトレーダーは、アジア時間で取引する機会はほとんどありませんが、他の時間帯に比べれば非常に高い利益を上げることができます。これは、アジアセッションが全体的なトレンドを反転させ、トレーダーが有利なエントリーポイントでエントリーする機会を与えることがあるからです。また、日本銀行からのニュースが長期的なトレンドの始まりとなることもあるため、スイングトレーダーはアジアセッション中に取引できるように準備しておく必要があります。
アジア時間帯の取引は、他の取引時間帯とは異なるアプローチが必要です。ほとんどの時間はレンジ相場です。しかし、市場が強いトレンドに入った場合、予想以上に動くことがあるため、損失をコントロールすることが肝要です。
