Nick Goold
テクニカル分析はFXやCFDを取引する際に便利なツールですが、テクニカル分析にも長所と短所があるため、それぞれを理解して使用する必要があります。どのテクニカル分析を使用する場合であっても、リスク管理計画の実行を忘れてはいけません。
長所1)マーケット理解が簡単
テクニカル分析はトレードルールが明確になるため、多くのトレーダーが使用しています。 例えば、価格が移動平均線を上抜けたら買うといったものです。チャートにインジケーターを表示し、価格とインジケータ―の位置関係を理解するテクニカル分析を行うことで、どこで買い、どこで売れば良いのか戦略を明瞭にすることができます。
長所2)多くのマーケットに適用が可能
あるマーケットで上手くいった戦略を、同様に他のマーケットでも試すことができます。上手くいった戦略を他のマーケットで試すことはリスク分散の観点からも良いことです。利益拡大の機会を拡げることは大きな利点にも繋がります。
長所3)素早い実行
ニュースやレポートをじっくりと時間をかけて読み込まなくてはならないファンダメンタル分析に比べて、テクニカル分析はとても素早く行えるため、分析からポジションをとるまでの時間を短縮することができます。状況によってテクニカル分析は自動化することも可能です。
長所4)エントリーシグナルが明確
テクニカル分析はどこで買い、どこで売れば良いのかを数値で明確に把握することができます。良いテクニカル分析は、繰り返し現れるマーケットパターンを上手く捉え、比較的簡単なルールで再現性のあるトレードを可能とします。 悪いテクニカル分析は、複雑でトレード判断に迷うような売買シグナルを出すものです。
長所5)戦略の最適化
テクニカル分析は値動きのパターンに焦点をあてているため、過去のデータを使って簡単に戦略の有効性を試すことができます。また、短時間でテストできるため、様々な戦略を試し、どの戦略が一番チャンスを得られるのかを探し出すことも可能にします。そしてパラメーターを変更して試すことで、同じ戦略でも最適化を図ることができます。
テクニカル分析の短所
未来は過去の延長という考えの下、ヒストリカルデータを使用して沢山の戦略を試し、過去に最も利益の出た戦略を見つけ出すことができます。例えば100個の戦略を試すと、有益となる戦略を2、3個見つけられるでしょう。しかし、それは過去のデータを使った時に上手くいったものであり、未来も必ず上手くいくとは限りません。確信を持って今回も上手くいくと思い込み、リスク管理の手を抜くととても大きな損失を招くこともあります。
短所1)変化し続けるチャートパターン
マーケットはパターンを繰り返しますが、そのパターンは常に変化していくため、常に同じトレードで長期的に稼ぎ続けることは難しくなります。例えば、強いトレンド相場で単純移動平均線を用いて大きな利益を出せたとします。しかし、マーケットがレンジ相場に突入したときも同じ単純移動平均線の戦略を使用していると大損することとなります。
短所2)完璧なインジケーター神話
損失ばかりを経験しているトレーダーは、正しいインジケーターを使用すれば自分も稼げるようになり、損失を減らせるようになると思い込んでいます。しかし、ほとんどのトレーダーの損失はリスク管理の甘さと、トレード中のストレスに負けたことによるミストレードが起因しています。どんなマーケットでも利益を上げられる完璧なインデジケーターは存在しないのです。
短所3)反対のシグナルを示すインジケーター
長期的に利益をもたらす最適なインジケーターは一見難しそうに見え、複数のインジケーターを組み合わせることが最適であると思い込んでいるトレーダーが多くいます。また、難しい数学を使った複雑な理論を理解できると常勝トレーダーになれる気もしています。しかし実際のところ、手間暇かけて構築した戦略が必ずしも上手く機能する訳ではありません。複数のインジケーターを1枚のチャートに表示すると、どれを見てトレードすれば良いのか判断がつかなくなってしまいます。 例えば、移動平均線は売りサインであるものの、RSIは買いサインを示していた場合、どうトレードして良いのか分からなくなり損失に繋がります。