Nick Goold
ダウ平均株価
ダウ平均株価は、米インフレ率の鈍化とポジティブな成長シグナルが混在し、3週連続の続伸となりました。消費者物価の上昇率は前年比5.3%と2021年3月以来の低水準となり、生産者物価指数はは5月に下落となりました。また、米小売売上高が過去12カ月間で1.6%の増加を記録し、ミシガン大学の消費者感情指数が市場予想を上回りました。
連邦準備制度理事会(FRB)は予想どおり利上げ停止となったが、年内にあと2回、0.25%の利上げを行う可能性が残されています。当初、FRBのタカ派的なスタンスが強まったことでダウは200ポイント以上下落しましたが、パウエル議長が「利上げは差し迫っておらず、今後の経済データ次第」とコメントしたことで、上昇トレンドに急転換し、下げ幅が縮小しました。
先週に大きなイベントを終え、今週は主要経済指標の発表が少ない週です。今週の焦点は、パウエルFRB議長が米上院で経済と金融政策について証言する木曜日です。ダウ平均は金曜日に年初来高値を上回れず、中期的なレンジ状態が続いています。短期的な高値更新の可能性が高いため、10日移動のサポートを前にした押し目買いが今週のベストアプローチとなりそうです。
レジスタンス:34500, 34590, 35000
サポート:34155, 34000, 33000, 32550, 31750
日経平均株価
日経平均株価は、10週連続で続伸し、2013年2月以来の長さを達成しました。この素晴らしいパフォーマンスは、日本銀行が緩和的な金融政策を維持することを決定し、円安が進んだことに起因しています。外国人投資家も日本の株式市場に注目しており、6月9日までの1週間に現物株と先物を合計1兆4,000億円購入したというデータもあります。
先週の日本銀行の会合では、マイナス金利とイールドカーブ・コントロール・プログラムを変更せず、他の中央銀行が高止まりするインフレに対抗するために金利を引き上げるという世界的な傾向に反して、現状の低金利政策の維持を決定しました。それにより、ドル円は2023年の最高値まで上昇し、日経平均株価が週足で4%高で取引を終えています。
先週の32,710円のブレイクアウト後、主要な抵抗帯はほとんどありません。34,000円や35,000円といったラウンドナンバーはトレーダーが利益確定をする可能性がある水準です。ボラティリティは高いままであり、最善の戦略は、押し目買いを待つことに変更はありません。今週は長期投資家の利益確定売りが予想されるため、短期トレーダーは買われ過ぎになっている相場で売りチャンスがあるかもしれません。
レジスタンス:34000, 35000
サポート:32700, 31650, 30800, 30500, 30000