Nick Goold
ダウ平均株価
ダウ平均株価は、前週比ほぼ横ばいで引けた。市場では、原油価格(WTI)が91ドルを上回って急騰し、テクノロジー関連株の株安がエネルギ―関連株の株高で相殺された。 米国の小売売上高や鉱工業生産が予想を上回るなど、ポジティブな経済指標結果が相次いだことが今後も楽観的なデータが続くだろうという安心感を投資家に与えることとなった。
インフレに関しては、消費者物価指数(CPI)が予想と一致した一方、生産者物価指数(PPI)は予想を上回った。しかし、これらの数値が今週予定されている米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ決定に与える影響は限定的とみられ、ダウ平均株価のパフォーマンスにはわずかな影響しか与えなかった。金利の上昇傾向は、インフレ抑制というFRBが臨んでいた効果を及ぼし始めたようだ。この見通しを裏付けるように、ミシガン大学が最近実施した消費者心理調査では、9月の1年間のインフレ予想が3.1%に低下し、2021年1月以来の最低値となった。
今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を現状維持すると予想されているため、ボラティリティの低下は継続する可能性が高い。このシナリオにより、特に市場が3万4,000ドルから3万5,000ドルのレンジ内での推移を維持する場合、短期的にはレンジ取引が有望な戦略となる。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)理事会後の予期せぬ発言によって相場が予想外の動きを見せる可能性もあるため、トレーダーは引き続き警戒する必要がある。
レジスタンス:35000, 36000, 36500, 37000
サポート:34600, 34,000, 33610, 33000, 32550, 31750
日経平均株価
日経平均株価は2.5%以上の上昇をみせており、年初来高値に近づいた。長期間の円安基調と中国経済の回復を示唆する経済指標によって、日本株にとっては好ましい相場環境となった。
日銀の植田総裁は、長期化しているマイナス金利政策を年内に終了させる可能性を示唆した。植田総裁は、現在の政策スタンスの転換を考える上で重要なパラメーターである賃金の上昇基調が持続するかどうかを評価するために、年末までに中央銀行が十分なデータを収集する可能性を示唆した。こうした発言を受けて、円が買われ一時的に円高基調となったものの、マーケットの焦点は日米金利差であるため、影響は短期的なものだった。
10月に政府の新たな景気刺激策が導入されることで、市場は力強い見通しを維持すると予想される。10日移動平均線はさらなる強さを示唆しており、サポート帯として機能することが予想される。上昇トレンドに加わりたいのであれば、価格が移動平均線まで戻れば、押し目買いのチャンスを見つけられるだろう。
レジスタンス:33375, 34000, 35000
サポート:33000, 31650, 30800, 30500, 30000